サクシード2中学校英語から高等学校英語へ-040/45page
というのは、ある意味で、マスターすることは終生不可能なものではないでしょうか。だからこそ、知らない語が多少出てきても、あわてないでその語の意味を推測しながら全体の意味を捉える、という能力を付けてやることが必要だと思います。
幸い、教科書は段階を踏んで進んでいきますので、あるレッスンの単語や表現等をしっかり身に付ければ、次のレッスンでは既習の単語が大半を占めているように編集されています。ですから、たとえ未知の語が多少あっても、語の意味などを推測することは不可能ではないはずです。問題はここで、どのような指導をするかということです。いつ、どこで辞書を引かせるか、それとも辞書を引かずに推測させるか、推測させるとしたらどのような方法があるのかなどという点を教師がしっかりと指導方針として持っていることが大切だと思います。わからなければ辞書を引かせる、というのは大切なしつけかもしれませんが、辞書がないときに未知の語に出会っても何とか切り抜けられる、という能力を身に付けさせるのはもっと重要だと思われます。
最後に、前教科調査官の和田稔先生のことばを紹介させていただきます。
「辞書の指導は中学校ではする必要がありません。教科書の巻末に一覧がありますので、それで事足ります。高校では辞書の指導は当然必要ですが、指導にも注意が必要です。わからない単語の意味を全て辞書で調べておくといった約束事を作って授業をしてしまいますと、わからない単語の意味を文脈から類推することができなくなります。つまり自力で長文が読めないということになります。このように辞書指導ひとつとってみても、プラス・マイナスがあるわけです」
質問5) 文法用語や発音記号ははどの程度教えているのですか。
A.まず文法用語ですが、教科書(東京書籍New Horizon)で使用/未使用のもの、および別の表現で言い換えられているものは次の通りです。
○使用されている文法用語
肯定文/疑問文/否定文、 単数/複数、 主語/動詞、 be動詞、規則/不規則動詞、 形容詞/副詞/疑問詞/(代)名詞/接続詞、 原形/過去形/過去分詞、 比較級/最上級、 進行形、 現在完了形、 関係代名詞
○使用されていない文法用語
主格/目的格、 補語/目的語、 前置詞/助動詞、 句/節、 感嘆文、 付加疑問文
○別の表現で言い換えられている文法用語
受動態→「受け身形」、 動名詞→「〜すること」、 先行詞→「前の名詞」、 不定詞→「to+動詞の原形」、 現在分詞→「動詞の〜ing形」もちろん中学校の先生も授業の際にこれらの語を用いて説明することは多いでしょうし、参考書や問題集に載っている語もあります。あくまで教科書では扱われていないという意味ですのでご了承ください。
なお蛇足になりますが、高校入学後のオリエンテーションで押さえていただきたい