サクシード2中学校国語から高等学校国語へ-005/81page

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(2)対話を重ねること
 自分の考えを深め、確かなものにするためには、疑問や考えを「言葉にする」という作業が必要になります。つまり、自分自身への問いかけとしての内面の声が大切になるのです。
 他の人と対話を重ねることにより、自分の考えの不明確さが明らかになったり、問題の本質がどこにあるのかがわかってくるのも、内面の声を外に向かって言語化することによるのです。日記や手紙を書くことは自分自身との対話とも考えられます。授業においても、生徒自身が自分自身と対話をくり返すことができるよう発問や説明に工夫をすることが大切です。
 また、授業において、考える見通しや自分の力で論理を展開していくための学習の方法(学び方)を知らせることが大切です。例えば、論説文や説明的な文章において、筆者がどのような論理展開をしていこうとしているのかを「題名」から考えさせたり、全体の段落構成を予想させたりする、類推する力を身に付けさせることも生徒の思考力や表現力を伸ばすための一つの方法といえます。

(3)段階を踏むこと
 思考力・表現力を高めるためには、段階を経ることが大切です。はじめは、基本的な型を模倣していく段階を、そして次の段階として、その型を破り新たな段階に入り、最終的には、自分にしかできない独自の型に至るという「守・破・離」の段階を経ることが重要です。思考力・表現力の育成については、小学校.中学校.高等学校だけでなく、生涯をとおして継続していくという観点も欠かせません。表現することの喜びや楽しみを味わわせながら、段階を経た指導をくり返すことにより、思考力・表現力は伸びていきます。


●表現力を高めるためには何が必要か
←県内高校生の表現力に関するアンケートより(普通科2学年 2クラス対象)
体験や経験をもっと豊かにすること 32.9%
読書体験を豊かにすること 30.1%
語彙を豊かにすること 23.3%
書き方や話し方などの訓練をすること 4.8%
その他(感受性を豊かにすること等) 8.9%

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