サクシード2中学校国語から高等学校国語へ-013/81page
たちみんながよく知っている大きな船の機械だらけの腹のように見える。しかし、大きく重い時間機械もある。これは小屋の内側に立っていたり、いちばん高い家のてっぺんにのせられたりしていて、遠くからでも見えるようになっている。この機械は、時間のひと区切りが回ってくると、外側の小さな指がそれを示す。同時に、大きな声で叫びだす。魔物が機械の心臓部で鉄をたたくのだ。そう、ヨーロッパの町では、時間のひと区切りが回ってくると、恐ろしいうなり声や叫びが起こる。
時間のこの叫びが響きわたると、パパラギは嘆く。「ああ、何ということだ。もう一時間が過ぎてしまった」そしてたいてい、大きな悩みでもあるかのように悲しそうな顔をする。ちょうどそのとき、また新しい一時間がはじまっているというのに。
(「パパラギ」はじめて文明を見た南海の酋長ツイアビの演説集 岡崎照男訳 立風書房)
考えてみよう
■この文章を読んで、感想を語り合ってみよう。
■日本の文化を海外の人々に紹介するつもりで次のことがらを説明してみよう。
【時計】
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【学校】
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【遊び】
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■今、社会生活で疑問に思っているものを書き出してみよう。
※ファックスで文字や写真が送付できるのはなぜだろう。
※赤い色はなぜ人の注意を引くのだろう。
※なぜいくつもの言葉があるのだろう。
※「おはよう」という言葉の意味は?
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「パパラギ」岡崎照男訳 立風書房
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