サクシード2中学校国語から高等学校国語へ-033/81page
たく惑星……。流れ星がひとつふたつ地球の大気圏に飛びこんできて燃えつきました。
わたしはそのとき、もし、このながめが一世紀に一回か、あるいは人間の一生のうちにたった一回しか見られないものだとしたら、この小さな岬は見物人であふれてしまうだろうと考えていました。けれども、実際には、同じような光景は毎年何十回も見ることができます。そして、そこに住む人々は頭上の美しさを気にもとめません。見ようと思えばほとんど毎晩見ることができるために、おそらくは一度も見ることがないのです。
たとえ、たったひとつの星の名前すら知らなくとも、子どもたちといっしょに宇宙のはてしない広さのなかに心を解き放ち、ただよわせるといった体験を共有することはできます。そして、子どもといっしょに宇宙の美しさに酔いながら、いま見ているものがもつ意味に思いをめぐらし、驚嘆することもできるのです。
(「センス・オブ・ワンダー」レイチェル・カーソン著 上遠恵子訳 新潮社)
書いてみよう
■この文章で述べられていることと同じような自然体験を、書いてみよう。
■初めて海を見たときのことを考えて、どんな感覚がしたか、思い出してみよう。
同書より(写真森本二太郎氏)
「センス・オブ・ワンダー」レイチェル・カーソン著 上遠恵子訳 新潮社
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