サクシード2中学校国語から高等学校国語へ-034/81page

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(3)集めることと分けること
   一情報を活かす一

●情報の収集は五感を働かせて
 物を考え、表現するためには考えるための材料が必要です。自分の五感をフルに働かせて、身の回りのものから多くの情報を収集するよう努めることが、真の学びの礎をなしているともいえます。
 木原武一氏は、ダーウィンの生涯を記した文章の中で、次のように述べています。

 人間が自然についての知識をたくわえ、学問をつくりあげたのも、もとはといえば、自然のさまざまな生物や無生物を拾い集め、それに名前をつけたところに出発点があった。子供はそういう人類の知的活動の初期の段階を無意識のうちに反復しているのかもしれない。ものを収集することは、子供が自然に身につける最初の勉強法なのである。
(「天才の勉強術」木原武一 新潮選書)

 おもちゃやシール、あるいは写真や道具等を集めることが財産になり、そこからものを考えることが始まります。
 また、収集する際には、情報を処理するという意味で、次のページに示すように、さまざまな方法や機器を活用するということも大切です。同時に、「自分で書き写すこと」「自分の足で歩く」「自分の耳で聞く」という地道な作業が重要になってきます。
 好奇心をもって多くのものを集めていくことが、研究の基礎をなしているということを実証している例としては、「昆虫記」を著したファーブルなどがあげられます。また、民俗学や考古学に精通し、粘菌の研究で有名な南方熊楠なども、収集を生涯続けたことで知られています。

●生涯のテーマを持つこと
 生徒一人一人にテーマを持たせるためには、興味・関心を育てていくことが大切です。メモをとったり情報機器を使ったりしながら、自分にとって大切なものを蓄えていくための方法を身につけさせたいものです。以下に五つの項目を立てて具体的な情報収集及びその整理の仕方を述べていきます。
1.連想で豊かに考える
2.新聞から情報を得る
3.メモを取る

集めること分けること
旺盛な知的好奇心
 興味を 関心の対象は一人一人異なります。電車については何でも知っている生徒や、バスケットの選手についてはプロ顔負けの知識を持っている生徒、そういう何でも知ってやろうという旺盛な知的好奇心を持つことが、新しい分野を開拓する上で大切なエネルギーを培う土壌となるのです。

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