サクシード2中学校国語から高等学校国語へ-040/81page

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13)メモを取る
  一ひらめきを大切にする一

●メモの方法学
 授業や講演を聞きながら、要点をメモすることは、国語の授業だけでなく生涯学習の上でも重要なことの一つです。板書をノートに写すだけでなく、自分の考えを書きとめるという意味でも、ノートを思考の場にすることも大切なことだと言えます。
 また、発想を豊かにするためには、考えが浮かんだときすぐにメモを取ることが大切です。目を閉じたり、散歩したりしているときにひらめきが生まれる場合が多いので、その一瞬を逃さないことが大切です。ノーベル賞受賞者である湯川秀樹博士にもメモのエピソードがあります。

 私は、奥のせまい部屋で寝ていた。例によって、寝床の中で物を考えていた。大分、不眠症がこうじていた。いろいろな考えが次から次へと頭に浮かぶ。忘れてしまうといけないので、まくらもとにノートが置いてある。一つのアイディアを思いつくごとに、電灯をつけてノートに書きこむ。こんなことが、また何日かつづいた。
(「旅人」湯川秀樹 角川文庫)

 メモをとることは、日常の生活だけではなく、読書や研究においても欠かすことのできない重要な意味を持って
いるといえます。また、メモを取ることは、自分の考えや発想を失わないという意味だけでなく、他の人のアイデアをもとに自分の思考に刺激を与えるという意味でも大切です。ノートの工夫もメモの方法によってかなり改善されてくるといえます。
メモをとる

メモをとる
●ノートに思考の過程を
 生徒にとって、思考の場となるのがノートです。しかし、実際には、ノートは板書を写すだけのコピーの場となっていることが多いといえます。
 生徒が実際に自分の頭で考える「現場」として、ノートを活用することが重要です。自分の考えの誤りや思考の軌跡が明確になることによって考えは深まります。結果だけのノートではなく、過程を重視したノート作りこそ大切なのです。

●板書の例と工夫
●板書の例と工夫

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