サクシード2中学校数学から高等学校数学へ-002/69page

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3 つまずきをなくすための学習指導

(1)つまずきに対する基本的な考え方

(1)どんな生徒でもつまずくということ
生徒がつまずくのは当たり前であり,「自分の考えはここまではよかったが,ここがまずかったのだ。」と,つまずきを肯定的にとらえ,自信を持って意欲的に学習に取り組ませることが大切であるという認識を持つことが必要である。

(2)つまずきの原因は教師の指導にもあるということ
つまずきの原因は一方的に生徒の側にあるのではなく,生徒が数学の考え方などにおもしろさを感じ,意欲的に学習に取り組むような教師側の指導の工夫が不足している場合が多いと認識する必要がある。また,生徒の誤りとその原因を見抜く力が教師の指導力の大きな要素の一つであるという認識を持つことが必要である。

(3)生徒につまずきを気づかせるのがつまずき解消の重要なポイントであること
「ああそうだったのか!」と生徒が自分の誤りに気がついて,正しく理解することが,つまずきの解消であるという認識を持つことが必要である。
学習指導(授業等)→つまずきの把握→つまずきへの対策案
  ↑        ↑       ↑
生徒たちのこれまでの学び方や学んだ内容の把握
  ↓        ↓       ↓
指導計画への取込み←具体策の共通理解←数学科での協議

(2)つまずきをなくすための学習指導の考え方
(1)生徒たちのこれまでの学び方や学んできた内容を認識すること
中学校は小学校の,高等学校は中学校の学び方(授業形態等)を認識する必要がある。また,小・中・高の学習内容のつながりを把握し,生徒がつまずいたときに立ち戻ることができる基本的事項や考え方を整理しておくことが大切である。

(2)教材を分析し,つまずきに対する対策を指導計画に盛り込むこと。
いわゆる「教えにくい教材」は,生徒にとって「わかりにくい教材」であることが多い。このような教材について,できるだけ数学科全体で取り上げて分析し,工夫された指導を共有化して,指導計画に盛り込んでいくことが大切である。

(3)生徒がどこでつまずいているのかを継続的に把握する工夫をすること。
授業中の観察や指導の過程で行う小テスト,指導後のテストなどにより,生徒一人一人のつまずきを把握しておくことが大切である。できれば,個人カードにして,つまずきの内容やそれに対する指導結果を累積していけば,次の学年になって教科担当者が変わった場合でも,より継続的な指導が可能となる。


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