サクシード2中学校数学から高等学校数学へ-016/69page

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2 係数が分数である文字式の計算(中1「文字と式」)
関連:前比と比の値,分数の除法(小6)後 連立方程式,1次関数(中2)

1 つまずきの内容
文字式の計算や方程式などで係数が分数になると,問題の正答率が下がる。
分数計算のつまずきは,例えば,次のような形で現れる。
○4x-2/3xにおいて,12/3x-2/3xという変換が容易にできない。
○a/3-a/2=2a-3aや解の公式などの通分や約分が容易にできない。
○9/2を「9÷2」,「9×1/2」や「4.5」のように多様にとらえることができない。

2 つまずきの分析
分数は主として小学校の学習内容であるが,小学校と中学校における分数のとらえ方や指導にかなり大きな相違があり,つまずきを呼ぶ一つの大きな要因となっている。
それは,次の3つにまとめられるであろう。

(1)分数の加法における共通分母を1つにまとめて表示すること。
1/5+3/5=1+3/5のような表し方は,小学校で扱わないために,中学1年の文字を含む式における商の分数表示や係数が分数の場合の加減につまずきがみられる。

(2)割り算において分数表示や逆数の利用が頻繁に行われること。
小学校の計算は四則計算のため,割り算を分数表示はほとんどしない。また,逆数の意味は学習するが,それを利用して計算することはあまり行われない。
(注)「逆数」は新学習指導要領では,中学校の内容に移行される。

(3)四則計算の反復練習の機会はさほどないこと。
中学校では,小学校ほど数(分数)の四則計算についての反復練習を行っていない。

3 つまずきへの対策
(1)分数の加減で分母をまとめて表示する方法をていねいに指導すること(→中1で)
中学1年の「正負の数」において,「正負の分数の加減」の内容を特に取り上げて,その際に,次のような,分母をまとめて表す計算方法を確実に身に付けさせたい。
(例)(-1/5)+(-3/5)=(1/5+3/5)=-(1+3/5)=-4/5

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