サクシード2中学校数学から高等学校数学へ-019/69page

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(2)様々な方法で解決させてみる。(→中学校を通して,あらゆる場面で)

(1)割り算(÷)を逆数の掛け算(×)に直し,分配法則を使って計算する。
(例)2x-4/2=(2x+4)÷2=(2x-4)×1/2=x-2

(2)分子を2つに分けて,通分と逆の計算をする。
(例)2x-4/2=2x/2+-4/2=x-2

(3)分子を因数分解し,x-2=Aと置き換えて,単項式どうしの約分をする。
(例)2x-4/2=2(x-2)/2=2A/2=A=x-2

(3)共通因数でくくってから約分することの有用性に気づかせる。(→中3,数Aで)
(2)の(1)〜(3)のいずれの方法でも求めることができることを確認した上で,その中でも,(3)の分子を因数分解(高校の立場で言えば数因数でくくる)する方法は,分子の項が多くなっても簡潔に求めることができる有用性があることを理解させる。

(4)2次方程式の解についても同様の約分ができることを確かめる。(→中3,数1で)
2次方程式の解の公式を利用して解を求める過程で,共通因数でくくってから約分することを実行させてみる。

(5)高校においては,中学校では共通因数でくくってから約分することを学習していないことをよく認識して,式の計算や,2次方程式の指導に当たる。(→数A,数1で)
生徒が黒板で解いた問題を教師が解説するときなどに,このことをていねいに扱う必要がある。また,導関数の定義(数2)や分数式(数3)でも同様の計算が出てくるので注意が必要である。

【中・高連携学習指導研究委員会の研究協議から】
高校の委員:「約分するとき,分子と分母をバラバラに約す生徒が多くて困る。」
中学校の委員:「中学校では,くくってから約分するということはしない。共通因数でくくるということは,3年の因数分解になって初めて学習することだから。1,2年で定着した方法で約分している。」
高校の委員一同:「なるほど!でも実際に困るんだよね,高校で。(つぶやき)」
このようにして中・高間の共通理解が図られていきます。

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