サクシード2中学校数学から高等学校数学へ-020/69page

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4 文字式への数値代入(中1「文字と式」)
関連:前 未知数□,△(小5)後 式の整理,関数値を求めること(中1以降)

1 つまずきの内容
文字式による操作や処理に関して,式に数値を代入して式の値を求める問題がある。
(例題)x=4,y=-3のとき,x2-2xy+y2の値を求めよ。
この例題におけるつまずきは,次のようなものが多い。
文字を数字に置き換えることができない。
式の中の文字を数字に置き換える過程で正確に処理できない。
 x2=42=4×2=8(4の2乗を4×2と計算した誤り)
-2xy=-2×4×3=-24(符号の付け忘れによる誤り)
y2=-32=-9(負の数を代入するときかっこを付けないための誤り)
式をなるべく簡単にしてから代入しないため,計算が複雑になり,間違ってしまう。
x2-2xy+y2=42-2×4×(-3)+(-3)2(この後計算を誤る)

2 つまずきの分析
(1)文字そのものの分かりにくさがある。
小学校では,5年生で右のように,文字式が導入される。□や△の方が視覚的には分かりやすい。「なぜ,xやyを使うのか」という疑問に応える指導が必ずしも十分とはいえない。
□×3=△
↓□や△を,xやyで表す。
x×3=y

(2)文字の四則計算や2乗の計算などの技能が不十分である。
かっこ内の計算を優先するというかっこの意味をよく理解していないために,負の数を代入する際に,かっこを付けない。
上記の誤り以外にも,文字式の計算では3x-x=3,3(x-2)=3x-2,2x+3=5のように視覚的な錯覚による誤りが多い。

(3)文字式を簡単にするという意識が不足している。
文字式の計算で,同類項を計算したり,式の展開や因数分解をしたりすることで,「文字の数を減らすようにする」ことが有用であるということが意識されていない。特に代入では,式を整理して文字を減らし,代入する箇所を少なくしてから代入するということが意識されていない。

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