サクシード2中学校数学から高等学校数学へ-021/69page
3 つまずきへの対策
(1)文字のよさを感じさせる指導をすること
(1)2xと表すことのよさ(→中1で重点的に)
「2,4,6,8,…」のように偶数を並べます。100番目の偶数は何ですか。
偶数を「2x」と表すことで,x番目の偶数がわかったり,すべての偶数を表したりすることができる。さらに,偶数を「奇数」や「3の倍数」に変えていろいろな数を表すことで,一般化できるという文字のよさを実感させるようにする。
(2)□や△を効果的に指導に利用すること(→中3で重点的に)
(x+y)2=x2+2xy+y2(□+△)2=□2+2□△+△2
乗法公式のように数値を代入して利用する式を利用したり覚えさせたりするときには,上のように□や△を用いた方が分かりやすい場合がある。その際,簡単にした式に代入した方が,代入する箇所が少なくて計算が簡単になることも理解させたい。
(2)文字式の基本的な計算技能を身に付けさせる指導を徹底すること
(1)単項式の基本的な計算法則を徹底して理解させる。(→中学校3年間を通して)
a+a=2a a×a=a2 3a-2a=a (x)2=x2
視覚に惑わされやすい計算は,まず計算法則とその意味をよく理解させた上で,典型的な計算を練習させることが必要である(p28)。また,計算の過程で,「符号は?」「数字は?」「文字は?」というように分析的に計算させることも必要である。
(2)負の数や分数を代入するときは( )が必要であることを理解させる。
(→中3の式の計算,2乗に比例する関数で重点的に)
x=4,y=-3を代入:-2xy=-2×4×(一3) y=x2=(-3)2
負の数や分数を代入するときなどには,( )をつけて記述することを徹底して指導する。( )を使いこなすことが,正確な計算をする上で重要である。
(3)数の代わりに式を代入し,文字の計算技能を高める指導をすること。(→中3で)
代入する数を複雑にしたり,次のように文字定数を含む式の形をした定数を代入したりするなど,代入計算を発展させて,高校へのつなぎとしたい。
x=a+4,y=a-3のとき,x2-2xy+y2の値を求めよ。
x2-2xy+y2=(x-y)2と変形してから代入すると簡単になることを理解させる。
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