サクシード2中学校数学から高等学校数学へ-022/69page

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5 公式が直接適用できない因数分解(数A「数と式」)
関連:前因数分解(中3)後 2次方程式,2次不等式(数1),高次方程式(数B)

1つまずきの内容
一般的に生徒は,因数分解は公式を利用して解決するものという意識が強く,公式が直接適用できない問題を苦手としている。例えば,教科書の次のような問題である。
【教科書の問題例】
1)2x2y-8xy+6y(中3)
2)a3-ab2-b2c+a2c(数A)
この問題におけるつまずきの例として,次のようなものがあげられる。

《問題1)(中3)の場合》
○2(x2y-4xy+3y),y(2x2-8x+6)→共通因数の理解が不十分
○2y(x2-4x+3)→因数分解不完全
○(2x-2)(xy-3y)→たすき掛けを実施

《問題2)(数A)の場合》
○(a2b2)(a+c)→因数分解不完全
○a(a2+ac-b2)-b2c→1文字中心の整理について誤って理解
○a2(a+c)-b2(a-c)など→( )の処理での間違い

2 つまずきの分析
(1)因数分解の意味やよさを正しく理解していない。
( )のついた積の形にする程度の理解で,完全な形に分解するという意識が薄い。そのため,共通因数のくくり出しを含めて不完全なままで終わってしまうことが多い。
1次式の積に分解することのよさが理解されていない。

(2)機械的に処理しようとして,公式の適用に目をうばわれる。
問題1)は中学校の問題であるにもかかわらず,高校でもつまずく生徒が意外に多い。
公式に当てはめることで,考えないで済むため,公式を適用することのみに目をうばわれる傾向が強いと思われる。

(3)1つの文字について整理することが理解されていないために,解決の見通しが持てない。
問題2)において,式を1つの文字について整理したり,項を2つずつ組み合わせて整理すればよいということが理解されていないため,解決の見通しが持てない。
また,方針はよくても式の整理に不慣れなために,その過程でミスをしてしまう。

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