サクシード2中学校数学から高等学校数学へ-028/69page

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8 正負の数の計算や移項(中1「正の数・負の数」「文字と式」)
関連:前 恒等式としての等式(小)と方程式(中1)の違い 後 等式の証明(数A)

1 つまずきの内容
(1)正負の数,文字式の計算で基本的な誤りをしている。
1)正負の数の加減 2)文字の同類項の計算
-3+5=-8      2x-1=(2-1)x=x

(2)等式の変形のうち,特に移項が適切にできない。またA=Bをいつも-B=-Aと変形する。
移項しても項の符号を変えなかったり係数を移項したりしてしまう。
(例1)x+5=-2よりx=-2+5(例2)15=3xより-3x=-15

(3)等号を日本語の「は」の代わりに用いてしまう。
(例1)3x=12     (例2)x+9=4
x=4        x=-5

2 つまずきの分析
(1)負の数や文字式の基本的な計算法則が身に付いていない。
1)異符号の2数の和がよく理解できていない。
足し算は数が増えるもの,引き算は数が減るものという小学校の概念から抜け出せず,正の数と負の数の和を数直線上で意味づけしてとらえることができていない。

2)自分に都合のよい独自の計算方式を作り上げてしまう。
誤った計算法則で答が合ってしまった経験から,「独自の計算法則」が正しいと思い込んでいる。考えずにに答えがでればよいと思っていることも背景にある。

3)数や符号にばかり目がいって,同類項の意味や計算方法が理解できていない。
1(1)2)の例でいえば,2xが2とxの積であることが理解できていない。

(2)等号の意味や等式の性質がよく理解されていない。
1)恒等式と方程式の区別が明確に認識されていない。
「イコール」を「は」と呼び,等式の変形の過程をすべて等号でつなげてしまうのは,小学校までの等号はすべて恒等式としての変形であるためであり,中学校で初めて学習する方程式との違いが理解されていないからである。
高校の数学A「式の証明」で起こる同様のつまずきも本質的には同じである。


2)移項の意味が理解されていない。
【移項ができるわけ・移項すると符号が変わるわけ】(中1「方程式」)
A+B=Cの両辺に-Cを加えても等式は成り立つから A+B-C=0

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