サクシード2中学校数学から高等学校数学へ-029/69page

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3)1次方程式の解法の指導で,移項が強調され過ぎて,何でも移項しようとする。
方程式の解法を強調する余り,四則計算の順序が忘れ去られてしまう。A=Bをいつも-B=−Aと変形してしまうのは教科書の扱いが簡単であることにもよる。

3 つまずきへの対策
(1)誤った例を示し,どこが誤っているかに気づかせる。(→中1〜高3のすべてで)どこが,なぜ,誤ったか,その都度,誤まった理由に気づかせることが大切である。-2=8→x=8+2(誤り)の場合,-2x=8にx=10を代入させて,誤りに気づかせた上で,両辺を同じ数で割るという正しい方程式の解法を指導する。

(2)正負の数,文字と式の計算の規則や原理を再確認させる。(→中,高で)
1)正負の数の和や差の計算では,かっこのついた形に直させて計算させてみる。
ア 数にかっこをっけさせ,数直線上で向きづけて計算するという原点に立ち戻らせることによって,誤りに気づかせる。
(例)-3+5=(-3)+(+5),-2-4=(-2)+(-4)
イ 負の数を引くことを,減法は加法の逆演算(小2)であることから理解させる。
(例)7-(-2)は,-2を加える(2を引く)と7になる数のことだから9である。

2)文字式の表し方や同類項の意味を再確認させる。
ア 文字式の積では×が省略されていることを確認させる。
2×3-1■(2-1)×3であることから2x-1■(2-1)xがわかる。
イ 同類項の計算は分配法則から導かれることを理解させる。
(例)5x-2x=5×x-2×x=(5-2)×x=3×x=3x

(3)等式の性質を再確認させた上で,移項を理解させる。(→中1,中2〜高1でも)
1)方程式と等式の変形(恒等式)の違いを理解させる。
方程式は特別な値に対して成り立つ等式なので,すべて「=」ではつなげない。

2)イコールの意味を確認させ,「イコール」を「は」と読ませない。。
ア 2つの数や式の値が等しいときだけ等号で結ぶことができることを理解させる。
誤った「=」の使い方をした例を横につないでみせる。
(例)1(3)の例1で,3x=12=x=4と書いて,誤りを指摘させる。
イ 等式の変形や方程式で,等号を縦にそろえて書かせる指導を繰り返し行う。
(例)2x-5-x-3
2x-x-3+5
x2

3)移項ができるわけを確認する。
わけを説明した後で,具体的な数値例で視覚に訴えて印象づける。
x+5=-2→x+5-5=-2-5→x=-2-5

4)A=BはB=Aと変形できることを具体例を通して強調しておく。

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