サクシード2中学校数学から高等学校数学へ-030/69page

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9 1次不等式の意味と解法(中2「不等式」)
関連:前 方程式,等式の性質(中1)後 2次不等式(数A),不等式の表す領域(数2)

1 つまずきの内容
中学2年で学習する1次不等式は,高等学校での2次不等式,連立不等式の基礎となる分野である。また,数学で大切な「解の吟味」を徐々に認識させることにも関連した重要な内容を含んでいる。

【問題例】高校入試問題 H10.2(3)(県正答率49.8%)
-5から3までの整数-5,-4,-3,-2,-1,0,1,2,3のうち,不等式,2x-3>4x+2の解となるものをすべて求めなさい。
(誤答例)
○不等式を解いてそのまま問題の答えとしているもの x<-5/2
○不等式を解く過程での誤りと思われるもの-2,-1,0,1,2,3など
○数の大小関係をとらえる際の誤りと思われるもの-5,-4,-3,-2など
〔参考〕3x-2>5x+8を解きなさい。(高校入試問題H6.2(1)県正答率84.6%)
(注)不等式に関する内容は新学習指導要領では高校に移行される。

2 つまずきの分析
H10.2(3)の誤答例やH6とH10の県正答率の比較から,次の問題点が考えられる。
(1)不等式を形式的に解くことはできても,不等式の解の意味がわかっていない。
(2)不等式の性質の理解が不十分である。
(3)不等式の「解となるもの」の意味が理解できていない。

3 つまずきへの対策
不等号(<,>)については,小学校2学年で学習しているが,小・中学校を通じて,相等関係に関する内容に対して大小関係の内容が少ない。したがって,生徒は大小関係の扱いに慣れていないのが現状であり,不等式の指導に際しては,生徒の実態を把握しながら,よりていねいな学習活動の展開に留意する必要がある。
(1)不等式の解の意味を明確にするよう指導する。(→中2,高校でも)
1)A<B,A>B,A≦B,A≧Bの読み方と意味を確実に理解させる。
読み方「A<B」→「AはBより小さい」「A小なりB」
意味「>と≧」→「より大きい」と「以上」

2)「不等式の解」「不等式を解く」の意味を明確にする。
ア 不等式の解→不等式を成り立たせる値(いつでもよい)
イ 不等式を解く→不等式のすべての解を求めること

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