サクシード2中学校数学から高等学校数学へ-036/69page

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(4)グラフのかきかたを通して変域についての理解を深めさせる。(→中1,中2で)
変域についての扱いは,グラフのかき方,グラフの見方などと関連づけて指導するのがよい。例えば,1年の「関数と比例」から2年「1次関数」にかけて,グラフのかき方について,次のように「グラフが通る2点を見つけて結ぶ方法」を把握させる。
このとき,例えば「0≦x≦3に対応するyの変域について考えさせ,その後,逆に0≦y≦3に対応するxの変域について考えさせてみる」などとして変域についての理解を深めさせるとよい。

【1次関数グラフのかき方(グラフが通る2点を見つけて結ぶ方法)】
〔y=axのグラフ〕(中1)
1)表を作り,xもyも整数である箇所をおさえる。
2)1)をもとに格子点を確認する。
3)格子点を方眼に正しくとる。
4)格子点を順次結ぶ。

〔y=ax+bのグラフ〕(中2)
1)格子点が2点あれば見つけて結ぶ。
2)格子点がなければ,2点としてx軸との交点,y軸との交点を求める。
3)x軸,y軸上に交点を取る。
4)2交点を結ぶ。

(5)グラフの問題を通して,1次方程式,1次不等式の定着を図る。(→中,高ともに)
関数とグラフの問題を通して,1次方程式や1次不等式などで大きくつまずいている生徒に対して,解き方をもう一度確認し練習させることにより,正しく計算できるように導くことも大切である。

【例2の不等式による求め方】    【考え方や手順の確認】
   y≧3だから         y=-2/3x+5で,y≧3より
   -2/3x+5≧3     ⇔  yのかわりに-2/3x+5を代入
                 そのとき,グラフで不等号の向きを確認
                    ↓
   -2/3x≧-2     ⇔     移項に注意
                    ↓
    x≦3      ⇔   両辺を負の数で割るとき不等号の向きに注意

(6)自然事象の中に現れる1次関数を通して変域を考えさせる。(→中,高ともに)
例えば,「ろうそくの燃える時間と残りの長さ」とか「おもりの重さとばねののび」など,1次関数で表される自然事象の例を取り上げて,その中で,変域やグラフとの関係を考えさせるなど,生徒の体験的な感覚と整合性を持たせながら理解させていく指導をすべきである。

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