サクシード2中学校数学から高等学校数学へ-038/69page

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4 2次式の平方完成(数1「2次関数」)
関連:前 2次方程式を平方根の考えで解くこと(中3)後円(数2),2次曲線(数C)

1 つまずきの内容
高校で最初に学習することが多い数学1の「2次関数」ではグラフの頂点等を調べるのにy=ax2+bx+cからy=a(x+p)2+qへの変形がよく用いられる。しかし,この平方完成がスムーズにできずに,つまずきを起こす場面がしばしば見られる。

(例1)x2+4x+△=(x+□)2は,△=4,□=2と直感的にわかるが,x2+16x+△=(x+□)2のように,数が大きくなると△や□が想像できない。
(例2)x2+5+△=(x+□)2,x2+2/3x+△=(x+□)2などのように,xの係数が奇数や分数になると,計算の方法を示してもできないことがかなり多い。

平方完成のつまずきは高校1年の最初に起こりやすいものであり,高校での数学嫌いや数学離れを増加させる原因の1つになっていると考えられる。また,このつまずきは,「図形と方程式」(数2)や「2次曲線」(数c)における2次曲線の標準形への変形で,再びつまずきを生むことになる。

2 つまずきの分析
中学校で学習する次のような事項の理解が十分でないことが考えられる。
(1)完全平方式になる因数分解の公式の意味が理解できていない。
(公式)x2+2ax+a2=(x+a)2 x2-2ax+a2=(x-a)2
平方完成の仕組みである,xの係数の半分の平方が定数項に等しいという関係についての理解ができていない。あるいは,理解できても問題に適用ができない。

(2)高校における平方完成は,中学校の平方完成とは異質の要素がある。
中学校では,平方完成は2次方程式のところで次のように扱われている。
x2+pxという形の式を平方の形にするには,xの係数pの1/2の2乗,すなわち(p/2)2を加えればよい。
(例)方程式x2+4x+4=0を平方根の考えを使って解きなさい。
解)x2+4x=4と変形して両辺に22を加えれば,x2+4x+22=4+22
(x+2)2=8  ∴x+2=±2√2  ∴x=-2±2√2

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