サクシード2中学校数学から高等学校数学へ-040/69page

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5 2次不等式をグラフを利用して解くこと(数1「2次関数」)
関連:前 不等式の意味(中2),2次方程式(中3)後 図形と方程式(数2)など

1 つまずきの内容
2次不等式の指導においては、2次方程式とグラフとの関連を重視した指導が欠かせないが,生徒は,機械的に2次不等式を解こうとして次のような誤りをする。

1)x2-2x-3>0(D>0の場合)(誤答)-1<x<3 x<-1,x<3
2)x2-2x+3>0(D=0の場合)(誤答)x=1 すべての実数
3)x2-2x+3>0(D<0の場合)(誤答)解なし x<1,x<2

2 つまずきの分析
(1)公式化,パターン化して暗記に走りすぎてしまう。
(x-a)(x-β)>0⇒x<α,β<x
(x-α)(x-β)<0⇒α<x<β
はまだしも,D=0,D<Oの場合を覚えるのは困難である。

(2)関数のグラフと不等式の関係が理解されていない。

(3)2次方程式が正しく解けない。

(4)解を表す不等式の表記に一貫性がない。(不等号の向きがまちまちであったりする)

(5)x2の係数が負の場合の処理がわからない。

3 つまずきへの対策
(1)1次不等式とグラフとの関連を確認する。(→中,高ともに)
1次不等式と1次関数のグラフの関係を,次のような練習問題を通して復習させる。その際に,まず生徒に解かせ,さらに,解く過程や理由を説明させた上で,不等式の解法やその意味を納得させながら理解させていくことが大切である。

(練習)
1)1次方程式2x-6=0を解きなさい。
2)1次関数y=2x-6のグラフをかき,x軸との交点のx座標を求めなさい。
3)2)のグラフにおいて,y>0,y<0となるxの値の範囲を,それぞれ求めなさい。
4)1次不等式2x-6>0,2x-6<0の解は,3)で求めたものと一致することを確かめなさい。また,なぜ一致するのか理由をいいなさい。

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