3 つまずきへの対策
(1)関数とグラフの関係を理解させる。(→中,高ともに)
中学校では,1年の「関数と比例」で,関数を次のように定義して学習している。
「ある量とそれにともなって変わる他の量があり,それぞれを変数x,yで表す。xの値を決めるとそれにつれてyの値も決まるとき,yはxの関数であるという。」
関数の定義における「xの値1つに対してyの値が1つ決まる」ということが,グラフでは,「x座標1つに対して,y座標1つが決まり,点が1つ定まる」ことに対応していることを,理解させる。
xの値→x軸上の点(x,0)→グラフ上の点(x,y)→y軸上の点(0,y)→yの値
(2)同じ式,グラフであっても,扱う視点が違うために表現が異なるので,関数値や不等式など,問題に応じて適切に考えることができるようにさせる。(→中,高ともに)
1)関数,方程式,直線(曲線)のグラフの意味の違いを整理して理解させる。
2)グラフの連続性について理解させる。
グラフの表現 視点 意味 関数 y=2x 関数の値の対応を満たす点集合としてみる x座標を2倍するとy座標になるような点(x,2x)の集まりである 方程式 2x-y=0 方程式を満たす点集合としてみる 方程式2x-y=0を満たすような点(x,y)の集まりである 直線 y=2x 座標平面上の図形としてみる y=2xを満たす点(x,y)の集まりが直線という図形になる
グラフは点の集まりであり,点が連続的に移動してグラフがかかれていくとき,それに伴ってx軸とy軸上の値が変化していぐことが見える形の指導が必要である。
(3)2次不等式の指導に当たっては,簡単な領域に関する指導を取り入れる。(→数1で)
「グラフのy>0の部分に対応するxの値の範囲」ということを,右のように簡単な領域に関する指導をすることにより,y>0に対応するグラフ,それに対応するxの範囲としてとらえやすくする。