ア 条件式として等式が1つあれば1文字消去できることを身に付けさせる。
イ 中学校で学習した2元1次連立方程式の代入法で文字の消去を復習させる。
ウ どの文字をどのようにして消去するのがよいのかを考えさせる。
(1)xを消去したい→xを他の文字で表して,証明すべき式に代入すればよい。
(2)消去した文字の条件は残った文字に条件として残る。このことは,図形と方程式(数2)の軌跡などでよく現れる。
(例)x>0,y>O,x+y=1という条件があり,xを消去したい。
⇒x=1+yとして代入すればxが消去され,0<y<1が条件として残る。
エ 不等式の証明では,何を使えば同値関係から不等式の関係になるのかを考えさせる。
【相加相乗平均の関係はどのようなときにどう使うのか】
2つの正の数に関して,その数の和や積の形を含む不等式を証明したい,あるいは,和や積の値の範囲を求めたいときに、和または積の一方が定数であれば,(条件から定数であるといえれば)他方の値の範囲を,相加相乗平均の関係により不等式で表すことができる。 (例)a>0,b>0のとき
(1)a+1/a≧2 →aと1/aの積が一定値1だから,和≧2√積=2
(2)2a+b=4のときab≦2
→ 2aとbの和が一定値4だから,4=和≧2√積=2√2ab
(4)証明の方法・手順を整理させながら,その考え方を理解させる。
1)様々な証明方法について整理して理解させる。(→数Aで)
ア 式変形による証明(等式や不等式に関する命題など最も一般的)
イ 数学的帰納法による証明(自然数に関する命題)
ウ 背理法による証明(対偶を利用してp⇒qの代わりにを示す方法)
2)証明の書き方を身に付けさせる。(→中,高とも)
ア 仮定から結論に至る流れを考えさせ,ロ頭で論証をさせて,書かせてみる。
論理的に展開されているかに注意させる。その際・仮定や条件をどう用いているか,定理・公式を活用するときは使うための条件を満たしているか,同値な関係での変形なのかなどについて確認させる。
イ 証明の形式になっているかに注意させる
結論を仮定や条件に用いていないか,等号を「は」の代わりに用いていないか,「ゆえに(∴)」「ところが」「〜だから」などの用語を適切に用いて,証明全体が1つの文章として意味をなしているか,などに注意させる。