【証明の流れ】
1 証明すべきことがらの把握(「仮定」と「結論」の見極め)
↓
2 証明の方針を立てるための思考と試行錯誤
1 どうやって証明を進めていくか(見通しを立てられるかの見当付け)
2 仮定や条件から何がわかるか(証明に使えること,言えることの整理))
3 利用できる考え方,定理・公式はないか(既知の知識・経験からの連想)
4 結論がいえるためには何がわかればよいのか(逆からの論理)
↓
3 証明の方針を立て,論理的に表現(必要があれば口頭論証をして論理的に記述)
↓
4 証明が正しいかどうかの吟味(等号成立,同値性や逆などの確認)
【証明の流れの分析例】
不等式 |a|+|b|≧|a+b|を証明せよ。 1 仮定:a,bは実数 結論|a|+|b|≧|a+b|
絶対値に関する不等式である。
2-1 絶対値をはずさないで証明できないか?←どうやって証明を進めてゆくか
2-2 両辺とも負でない(0以上)。←仮定や条件から何がわかるか
2-3 一般に|A|≧0である←利用できる定理や公式はないか
両辺が負でないとき平方しても大小は不変
2-4 (左辺)2(右辺)2≧0を示せばよい。←何が示されればよいか
3 |A|≧Aを用いて証明できた。←論理的に記述する
4 等号は|ab|=ab(同符号)のとき←等号成立はどのようなときか3)証明を振り返ってみることで条件や命題のもつ意味を理解させる。(→中,高ともに)
ア 証明の途中でどんな考え方や定理などが和用されているか考えさせる。
イ 証明することによって何がわかったのかを確認させる。
ウ 条件を変えたらどうなるかなどと発展させて考えさせてみる。