サクシード2中学校数学から高等学校数学へ-060/69page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

2 証明の進め方(図形)(中2「平行と合同」「三角形と四角形」)
関連:前 文字と式(中1)後 図形に関する証明(中2,中3),式の証明(数A)


1 つまずきの内容
(1)角の大きさや辺の長さを文字を用いて表現することができない。
1)のように角度が具体的な数値の場合は,正しく解答して求め方を説明できる生徒が多いが,2)のように文字になると,正解者は1)の1/3以下と少なくなる。

(例)∠AOCの大きさを求めよ。
1)1)
2)2)

(2)証明のしくみが理解できていない。
証明の記述の形式はできても,仮定と結論を混同して結論を用いて証明するなど,証明のしくみが理解できていない。

(例)図において,BC=BD,EC=EDのとき,∠C=∠Dとなることを証明しなさい。
(例)
(誤った証明)
BC=BD,EC=ED(仮定)∠C=∠D
2辺とその間の角がそれぞれ等しいので,△BCE≡△BDEよって,∠C=∠D

(3)証明を記述できない。
証明を口頭で発表できても,順序立てて記述することができない。

2 つまずきの分析
(1)文字をうまく利用できない。
中学1年では文字が1種類の式の計算,中学2年では文字が2種類以上の式の計算を扱う。2年で図形の証明を学習するこの時期には,文字式の計算にある程度慣れ,与えられた文字式の計算はできるが,目的に応じて文字式をうまく利用できない。問題解決の中で文字式を利用する経験が不足しているためと考えられる。

(2)題意を読み取り,図の中で理解する力が十分でない。
文章を読んでも図形のイメージがわかない。また,与えられた図を見ても自分で作図したものでないため,例えば「なぜこの角が90°になるのか」などのように図が条件を正確に表現しているという実感が持てず,題意の把握ができないと考えられる。

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

Copyright (C) 2000-2001Fukushima Prefectural Board of Education All rights reserved.
掲載情報の著作権は福島県教育委員会に帰属します。