中・高連携のために-017/136page

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◆生徒の誤答を授業に生かす

つまずきは、まず第一に授業に参加しないことから始まります。一人でも多くの生徒を教材の魅力に引き込む工夫が大切です。
教科書の問題を扱う際に、教員が一方的に解説したり、単に生徒に解答を板書させたりするだけでは、授業のリズムが単調になり、生徒が飽きてしまうことにつながります。
生徒が黒板で問題を解くことは、他の生徒にとっても、自分が解けなくとも、友人がどのように解くのか興味を持って見ることができるなど、授業に動きを生みだしますが、さらに、解いた生徒に説明をさせたり、板書事項に誤りがあるときは、どこが誤りなのかを他の生徒に見つけさせて指摘させたりするようにすると、つまずきやすい箇所の指導に有効です。

◆授業の山(ポイント)をわかりやすく提示する

生徒のつまずきは、授業の山(ポイント)を見落としている場合に多いといえます。
50分の授業の中で、何がその日の重要事項なのかがはっきり分かる授業展開や板書の方法を工夫すべきでしょう。

◆確認テストをこまめに実施し、つまずきの原因にまでさかのぼる

定期考査だけでなく、単元ごと、あるいは重要問題ごとに確認テスト等を実施して学習事項の定着度を確認し、生徒のつまずきがどこにあるのかについて、早期の発見と手当てを行うことが大切です。
数学には系統性がありますので、生徒がつまずくのは既習事項のどこかに理解不足の事項があり、そのまま放置していたことが原因になっている場合が多いのです。授業中では時間的に無理な場合には、放課後などの時間を使って中学校あるいは小学校までさかのぼってつまずきの原因をていねいに指導することが必要です。

◆数学科としての組織的な研究という意識を

生徒はだれでも「分かりたい」という気持ちを持って授業に参加しています。その気持ちをかなえてやれるかどうかは、教師一人一人の熱意と授業の腕次第だといえます。
また、50分の授業時間をいかに生徒に学習内容を理解させるために有効に使うか、説明や発問の工夫などを研究するとともに、これまでの学習内容のつながりやどのように学習してきたのかを知るために、小・中・高の教科書を通して読むことも大きな意味があります。
「分かる授業」のためには、教員一人一人の教材研究とともに、中・高ともに、それぞれの3年間を見通した指導計画の作成が大切です。教材のつながりや生徒のつまずきやすい事項についての対策などを、数学科として組織的に研究して指導計画に盛り込んでいくこと、効果的な指導事例や教材等を蓄積し、財産としていくことが重要です。

数学のつまずき解消のために

●公式やグラフの有用性を生かしていく
●誤答を授業に生かすことにより授業を活性化する
●生徒のつまずきの原因にまでさかのぼる授業を行う―確認テスト等の実施―
●数学科として組織的な分析、計画、実践をする

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