中・高連携のために-031/136page
◆学習指導案
平成11年11月29日(月)第4校時、第6校時
場所:県立相馬女子高等学校1年2組
指導者:高校教諭、中学校教諭
1 単元名 小説(二)「濃紺」
2 単元設定の理由
(1)生徒観
活字離れが叫ばれて久しいが、この傾向は高校生の段階においても現れている。常日ごろ小説に親しんできた生徒とそうでない生徒との差が大きくなってくる時期でもある。一つの教材を小説の読み方にしたがってじっくりと読み取る機会は、国語科の授業以外には確保できにくいのが現状である。
(2)教材観
本単元は、既習の小説教材での学習内容をさらに深め、発展させることができるように・傾向の異なる2作品で構成されている。2作品とも、個性豊かな文章であり、その鑑賞を通して、小説を読む楽しさを味わわせるとともに、人間や社会についての認識をより深めさせることができる教材である。
「濃紺」は、老年を迎えようとしている女性が、ある「下駄」をめぐる思い出によって、自分の人生を振り返り充実感を再確認するという小説である。身近な題材を取り上げながら、その中に人生への深い洞察や、人間と人間との関わり方という問題意識を含んでおり、生徒の共感を呼ぶ教材である。「下駄」という物に人生への思いを重ね合わせた作品であり、この作品に描かれた豊かな生活実感や、繊細に揺れ動く人間の心理を読み取ることで、心情を豊かにし、言語感覚を磨くという目標を達成することができる。
3 単元の目標
(1)国語への関心・意欲・態度
1)微妙に揺れ動く人間の心理に触れ、作品を読み、楽しさを味わわせる。
2)作品の内容に含まれるものの見方や考え方を理解し、自分のものの見方や考え方を深め、人間の生き方について考えさせる。
(2)表現の能力場面や状況、登場人物の心情などがよく分かるように、適切な叙述の仕方を工夫することができる。文脈中の語句に着目し、自分の思いや考えをまとめることができる。
(3)理解の能力
1)人と人との関わりの中で、変化する人物の心情を読み味わうことができる。
2)文章の展開や構成を確かめながら、心情や情景を読み取り、主題をとらえることができる。
(4)言語についての知識・理解・技能文脈の中で、語句の意味や用法、語感を的確にとらえることができる。
4 単元の学習活動計画(総時数4時間)
(1)全文通読(1時間)
・第1・第2段落を精読し、きよの現在の様子と下駄の設定をとらえる。
(2)読解について(3時間)
・第3段落を精読し、三十年前のきよと下駄屋の青年のイメージを明確にする。(本時)
Copyright (C) 2000-2001Fukushima Prefectural Board of
Education All rights reserved.
掲載情報の著作権は福島県教育委員会に帰属します。