中・高連携のために-041/136page

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主題を発見させ、さらに「天」との関係を考えさせる。

る。
発問・教師の働きかけ(T2) 指  導  上  の  留  意  点
3.『赤光』「死に給ふ母」の連作中から短歌を紹介し、郷里を離れて勉学中であった茂吉の状況を説明する。 1.歌の内容、テーマを一斉授業で確認するが、自分で感じたことを大切にしながら鑑賞文を作るという点を強調する。

2.小学校・中学校で既習の茂吉の短歌を掲示する。また、『赤光』「死に給ふ母」59首すべてと茂吉の年譜を生徒に配付し、「死に給ふ母」連作の全体を提示する。
*T1と生徒の確認した短歌の内容を板書する。
「母」「作者」「かはづ」「しんしんと」「遠田のかはづ天に聞こゆる」をキーワードとして生徒に意識させる。

*T1と生徒の確認した短歌のテーマを板書する。

*「鑑賞文」記入プリントを配付。机間巡視。個別に鑑賞文作成の助言。
*(T2)板書は生徒の言葉を使う。また、T1と協力しながら、生徒の説明をまとめる言葉を与える形も意識して行う。キーワードは掲示プリントとして提示する。
1.できるだけ具体的に説明させる。
・「かはづ」=蛙を確認させる。
・「聞こゆる」連体止め。r聞こゆるかはづの声」
・「しんしんと」との関連→夜更けという時間・rかはづ」の声の空間的広がり、声ゆえの静寂

2.「しんしんと」
夜の更けていく様、蛙が遠くで鳴く声の様、静寂の深まり作者の心の静寂とその中で深まっていく思い

3.「悲しみ」はどんな悲しみなのかを、短歌の言葉からさらに考えさせる。
・「遠田のかはづ天に聞こゆる」が作者の心象を表現していることに気づかせ・それが何を表しているかを考えさせる。
「天」=宇宙=「母」という存在、のイメージetc.
「天」のイメージ→生命を育むもの。運命をっかさどるもの。絶対的なもの。祈り・畏敬の対象。etc.
・「悲しみ」「運命という絶対者にむけての働実」「宇宙的な静寂の中で感じられる生命を育むものの存在」「生命への畏敬の念」etc.
・以上の点を鑑賞文作成の過程で考えさせることも含む。
*「鑑賞文」記入プリントを配付。
・基本的な構成は1)歌の内容説明、2)歌のおもしろさとし、第三者にも理解できる説明文を作るように指示する。各自の発想を大切にさせる。
*グループ内で優れた作品を選ばせる。グループ内批評は時間があればプリントに書き込ませる。
*発表の仕方を工夫させる。教室全体に聞こえるようにさせる。時間があれば前に出て発表させる。
*講評 *一斉に鑑賞する時間を持っても、各自の感じ取っているものが違うこと、上手に説明すれば互いの読みの個性を認められることを確認する。

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