中・高連携のために-043/136page

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◆授業研究と実践について―数学科―

■県北地区ではサクシードを活用しながら、三角比の授業を展開しました。予想される生徒のつまずきを想定しながら指導案を作成したことが、授業の展開に大きな効果を与えまし礼中学で学習した直角三角形の辺の長さの比と角の関係について考えさせることから、三角比の言葉の意味について説明し、正接の定義へと展開されていく授業は実測プリントを含め、十分検討されたものであり、生徒の理解に有効なものでした。

■県中地区では中学校において図形領域の円と円周角の授業を、中・高の教員によるT・Tで行いました。この分野は、高校数学(数学A、平面幾何)の橋渡しとなるものですが、小学校3年から様々な学習を通して登場する、小・中・高の連携が必要である分野です。具体性を失うことが高校生のつまずきの原因であるため、問題文から題意の作図をする指導を行うことに重点を置き、仮定と結論、証明の手順と記述をグループごとに指導する授業を展開しました。

■県南地区では高校1年の確率の単元を中・高の教員のT・Tによって行いました。講義とグループによる活動学習と演習形式をバランスよく取り入れることで、生徒自身が主体的に学習できるように留意しました。中学校で扱っている問題を例題として、場合分けの条件を理解させるなどの説明ではT・Tの有効性が発揮され、クラス全体への問いかけがスムーズに行われました。

■会津地区では三角比の単元の第1時間目において、同一の教材を用いて、中・高の教員が、異なるスタイルの正接の導入をそれぞれ別のクラスで行いました。中学校の教員は、「底辺の長さが1で、1つの角が89゜の直角三角形の高さはいくらだろう」と、生徒の興味・関心を高めながら、グループ活動で作業を交えた具体的な導入を行いました。一方、高校の教員は、正弦や余弦とのつながりを意識し、定義をきちんとした後で、中学校の三角形の相似で学習した木やビルの高さなどを結びつけた具体的な例示によって理解を深めるというスタイルで導入を行いました。それぞれの導入のよさが示された研究授業でした。

■いわき地区では三角比の単元をT・Tによる授業で行いました。面積を利用した三平方の定理の証明から、サクシード中の例題をとおして三角比について考えさせる授業であり、T・Tの有効性を十分利用して、一人ひとりにまで目の届いた授業になりました。自分たちの学んだことが、実生活上も利用できることを説明することで、とかく敬遠されがちな数学をより身近に感じさせようとする意気込みが感じられました。

■相双地区では確率の単元を、中学校で学習する頻度に着目した確率の考え方から深めて、確率の法則を理解するための授業を行いました。中学校での樹形図による数え上げによる確率を利用して、試行や事象の考え方を具体的に示し、順列の考えを確認して確率を求め、理解した後には各自類似問題を作成するという授業展開がなされました。

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