授業について
●授業者:導入のときに生徒からの反応が少なくやや緊張した。しかし、指示したこと以上に計測や計算をする生徒がいたので生徒の活動としてはうまくいったのではないか。
●高校委員:生徒と和気語々の雰囲気の中で授業を行えたのではないか。生徒にとって「三角比」がいかに難しい内容であるかが、他の人の授業を見ることによって実感させられた。模造紙の課題にマンガ(ドラえもん)を書いたのは生徒の興味・関心を引き出すためには有効だった。
●中学委員:生徒との雰囲気がよかった。ただ単に説明していくだけの授業ではなく、生徒とともに作り上げていくという姿勢が授業をよりよいものにするのだと思えた。導入の図から、「相似」、「縮図」という声が出なかったのは、中学校で指導しているものとしては、ショックであった。
●中学委員:導入の問題で、中学校のときの解法を示してほしかった。その方がタンジェントの有効性がよく分かるはずである。授業全体がやや時間に追われていた感じがする。また、OHPを活用しても良かったのではないか。
●中学委員:作業を伴う授業に関しては、生徒はよく取り組んでいく。図形の学習の場合は、実測したりすることが大切だと思う。tanA=a/bについては、生徒に実際に書かせるべきだと思う。書くことによって生徒自身が理解することができる。やはり、「急がば回れ」で、作図に時間をかけるべきではないか。
●高校委員:三角比については、教員側からの説明が大切になると思う。考えさせることと実際に理解させることはやや異なる場合がある。計算力を付けさせることも実際には大切ではないか。
●高校委員:高校では、大学入試も視野に入れて授業を行う必要があるので、進度がはやくならざ
るを得ない。また、図にしても、フリーハンドでかいている場合が多い。しかし、導入で時間をかけることも大切だといえる。
中・高連携について
●高校委員:中学校では1週間に数学を学習するのが3時間しかない。生徒は、抽象化するのが難しい。例えば、二次関数のグラフでグラフ用紙を使いすぎると、逆にグラフがかけなくなる。中学校では、高校での学習を見通した抽象化を検討すべきではないか。
●中学委員:つなぎ教材の「サクシード」を生かしていくことが大切ではないか。人的なネットワークができたことが大きな収穫になった。
●中学委員:経験者研修と経験者研修において、中・高合同研修が実施され、中学校の教員と高校の教員が交流できるようになったこともあり、相互交流の道が開かれたように思う。
●中学委員:高校の教科書を中学校の教室においておくようになったりして、数学が好きになるようになった。 |