中・高連携のために-069/136page

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2 各学校で中・高連携を進めるためには?

◆中・高の教科書を相互に確認すること

中・高の連携を進めるために、まず、大切なことは、生徒の学習の積み重ねを具体的に知ることです。
そのために必要なことは、小学校から中学校、そして、高校で学習する教科書を一通りそろえて、生徒の学習した内容を把握することです。新しい単元に入るときや、学期や学年のはじめのときなど、日々の授業の中で、中学校で学習した内容を話すことで生徒の理解も深まります。
また、生徒の学習の結果を積み重ねるとともに、自分の学習を適切に評価するためには、学習内容、考査問題、テスト、提出物、メモ等をファイルしていく「ポートフォリオ法」による学習の積み重ねも有効な方法といえます。
☆ポートフォリオとはもとは、画家や写真家が自分の作品をファイルする「紙ばさみ」のこと。

◆中学校・高校の年間指導計画

中学校では、年間指導計画を各学校ごとに作成しますが、生徒や学校の実態に応じて、3年間を見通して、重点化を図りながら作成することが必要です。
高校では、教科書・副教材の使用や進度も含めて、各学校が独自の指導計画を立案しています。また、多くの高校では、クラス担任あるいは教科の担当として3年間持ち上がるケースが多いので、入学から卒業までを見通して指導計画を立てることが大切です。

◆高校入学時のつまずきを防ぐには

教科の学習は、小・中・高と継続されます。しかし、学年が進むにつれて学習内容がより高度になり、段階が上がりますから、そこに理解の差が出てきます。したがって、生徒のこれまでの学習をふりかえらせるとともに、学習に関する実態を教員が把握することが大切になります。
たとえば、高校入学時に生徒に対してアンケート調査をすることも一つの方法です。

◆中・高それぞれの学習内容や進度、教材、指導法などを互いに知る

今回の学習指導要領の改訂に伴い、学習事項が他の学年や、他の校種に移行する教科があります。高校の教員は、「この内容は中学校で習ったはず」といった思いこみを排し、移行された内容について確認することが大切です。
また、逆に、中学校の教員も、生徒が高校入学後どのような学習をしているかを知るために、高等学校の学習指導要領について研究することも有意義です。
授業参観や意見交換の他に、異なる校種の教科書を教科部会等で互いに研究することも大切なことです。
各学校で中・高連携を進めるために
●中・高の教科書を学校において備えるなどの工夫をすることにより学習内容を確認する
●年間指導計画作成にあたって既習事項との関連を明確にする

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