中・高連携のために-076/136page
◆家庭学習の必要性
生徒の中には予習をしないで授業に臨んでいる生徒もいるのが実情です。授業中、先生の説明を聞いていれば理解できるということから、復習をしない場合もみられます。
中学校から高校にかけて次第に学習内容が高度になるにつれて、生徒は、いずれかの段階で授業を受けるだけでは十分な理解や習熟を図ることができなくなることが予想されます。それが顕著に現れるのが中3から高1にかけてであることが非常に多く、高校入学時に新入生に対して家庭学習の重要さがよく言われるのもこのためです。
家庭学習の習慣を身に付けさせるためには、授業の内容を理解させ、考えることのおもしろさを体験させることにより、自分で発展的に学習しようという意欲を喚起することが大切です。
◆分かりやすい授業のために
教材の内容そのものが高度になっていくために生徒が理解できない場合もありますが、その一方で、「分かる授業」のための教師の授業の工夫が必ずしも十分でないために生徒が理解できないという場合も考えられます。
分からない→できない→勉強したくない→分からない→…という悪循環を断ち切るためには、まず「分かる」ことが必要です。分かることとできることは別のことですが、分かれば問題の意味が分かり少しずつできるようになり、
分かる→できる→おもしろい→勉強する→さらに分かる→…の循環に近づいていきます。
分かる授業のためには、中・高の6年間を見通した教材間の関連を把握すること、生徒一人一人の理解度をこまめに把握すること、数学的な考え方を「なぜ」という発問を通して理解させること、学習内容の定着を図るよい問題を与えることなど数多くの工夫が必要となります。県教育センターで平成8年度から10年度にかけて発刊した授業改善ハンドブック「授業を変える」「授業を創る」「授業を磨く」には、分かる授業のためのヒントが具体例とともに数多く掲載されており、小・中・高の学習指導について理解する意味でも大変参考になります。
「授業を磨く」
真剣なまなざしで学ぶ
数学における連携を図るためには
●学習進度別・課題別プリントにより生徒の指導を実施する
●分かりやすい授業を行うためにも生徒の実態の理解をすることが必要
●高校で学ぶ内容を踏まえた学習内容の確認をする
Copyright (C) 2000-2001Fukushima Prefectural Board of
Education All rights reserved.
掲載情報の著作権は福島県教育委員会に帰属します。