中・高連携のために-108/136page

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第2章
座談会「中・高連携の実際」
和田稔 明海大学教授の講話

講話

外国語における中・高の連携について

○日時 10月25日(月)13:10〜15:30
○会場 県庁西庁舎9階教育委員室
○講師 和田稔(英語)明海大学教授
前文部省初等中等教育局高等学校課教科調査官

■見える部分と見えない部分の連携を

●和田稔(明海大学教授)

中・高連携を考えるとき大切なことは、見える部分と見えない部分を考えることです。見える部分とは、カリキュラムであり、見えない部分とは、文章で示されたり、目に見える形ではあらわれていないもの、つまり、学校文化などです。
夏休みに中学校の先生のところへ行って、高等学校の先生方は不親切だとか、高等学校の先生方は冷たい等の不満を中学校の先生に話すことがあります。あるいは高等学校の授業がおもしろくないとかというふうな言葉でも生徒は表現する。それらは、見えないカリキュラムというコンセプトを立てて整理していくといいのではないか。
和田教授を囲んで
和田教授を囲んで
中学生は高等学校へ行って、高等学校の教育になじんでいく、あるいは高等学校の教育に入っていく。その段階でいろいろな挫折や問題にぶつかる。見える部分と見えない部分とを整理することが非常に大切です。
中学校の先生は高校のことを知り、高校の先生は中学校のことを知るという意味で、福島県で実施している「中高研修交流教員」のシステムは有効だと思います。高等学校と中学校の目に見える部分のカリキュラムの違いがよく分かるからです。「サクシード」はそれを細かく分析してあります。
これからは、目に見える部分を整理して、お互いに知識を深めていくということが大切です。たとえば、英語に関していうと、関係代名詞などの重要な事項は、中学校では軽く取り扱っているだけでいいのであって、きちんと理解して使えるようになるということは、中学校では期待されていない。中学校の教科書に載ってはいますが、取り扱いはそういうかたちになっています。ところが、それを知らない、あるいはそれをできるだけはやく教えたいということで無理をすると、そこで高校一年生にとって負担が大きくなる。

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