中・高連携のために-109/136page

[検索] [目次] [PDF] [前][次]

■中学校から高等学校へと校種が変わるときが大切

新学習指導要領では、学習内容が削減されていますので、目に見えるカリキュラムを整理して、お互いに理解していかないと、生徒が苦労するということになるのです。
いつ英語が嫌いになったか、わからなくなつ九のかという実態調査をすると、中学校では2年生が多い。これは、2年生で学習事項が非常に過密になるからです。
もう一つは、中学校から、高校にかわるときであり、学習内容が増え、難しくなるという二ともありますが、見えないところ、例えば、発言、先生方の説明の仕方・あるいは文法用語などによるのです。中学校ではできるだけ文法用語は使わないという方向に来ています。しかし、高等学校に入学したとたんに多用される。これから高校の先生と中学校の先生が中学校の授業・高等学校の授業を見たり、授業の分析をする場台には、何を教えているかという内容についても情報交換をしていくということが必要ではないかと考えます。

■学習プロセスを重視すること

三番目は、生徒が身につけた、分かった、ということをどのように判断するかという問題です。これまでは、プロダクト、結果重視主義が中心でした。結果重視主義は、試験や診断テスト等の点数で判断する。つまり、結果によって生徒が学習事項を習得したかどうかを判断する。
大切なことは、できない、できるといっても、学習の程度あるいは、学習プロセス、過程です。生徒が何を考えてどうやっているのか。
たとえば、関係代名詞のここのところまでは理解しているが、ここのところはどうつまずいたのか。プロセスを考えて、生徒がある学習事項を習得したかどうかを見ていただければいいのではないか。
英語教育の歴史では、ある時代には英語教授法の善し悪しが議論された時期があります。たとえば、こういう指導法だとよく習得できる。いや違う。こういう指導法のほうがいいのだ、と。ところが、あれがいい、これがいいという指導法だけを問題にしていても生徒が英語を身につけていく、習得していくことがわからないということに気がついて、生徒が実際にどのように文法事項を身につけていくか。これを見ていかなければならないというように変わってきている。だから、どの指導方法が良いというのではなく、こういう教え方をすれば、教え方の過程で生徒はどのような理解の仕方をして学習事項を身につけていくのかを見ていく。
たとえば、プロトコル(protco1)があります。そのなかで、英語でいいますとシンク・アラウンド(think around)という言葉があります。生徒が英文を解釈するときにどのように考えながら、英文を解釈しているかを、例えばグループに、ある文章を与えておいて、グループが話し合いをしながら解釈をしていく。この文法事項はああだ、こうだといって解釈をしていくときそれを全部録音し、解釈して
和田教授の講話
和田教授の講話

[検索] [目次] [PDF] [前][次]

Copyright (C) 2000-2001Fukushima Prefectural Board of Education All rights reserved.
掲載情報の著作権は福島県教育委員会に帰属します。