中・高連携のために-113/136page
どのくらいだとか、全国で何番だとか言われるということとの間にギャップができるわけです。
■高校では、学習指導案の工夫が必要
●渡辺 私は白河高校から白河中央中学校のほうに来て、現在、中学3年の担任をしています。教科は、国語ですが、中学校では、全員を参加させて、分からない生徒にもできるような下位目標、上位目標をたてるということに感心しました。また、生徒を積極的に引っぱる工夫をしています。作業的学習、ビデオ、OHP、ワークシート、フラッシュカード、班学習等々、授業形態そのものが課題追究型になっていると感じました。生徒一人一人が、友だちどうし、あるいはみんなで話し合って、様々な意見を出していく、いわば、生徒一人一人の個を生かす指導が徹底しているというのが、授業の中での驚きでした。また、学習指導案そのものが違うということに樗然としました。
■中学校と高校の6年間を通じて育てる視点
●亀岡 私は、中学校で1年、2年、3年と担任をし、その生徒といっしょに研修交流のために高校に異動しました。いわば、5年間通じて、同じ生徒を教えてきたわけです。1年目には、驚きもありましたし、学ぶこともたくさんありました。2年目に「サクシード」作成委員になったことが大きな財産です。中学校側からすると、高校入試は壁というイメージがあるのですが、高校の英語科の課題を考えると、なるほどこういう力をつけさせたいということが分かってきたのです。中学校と高校の6年間を通じて、どのような力を生徒につけていくべきかが分かったのが2年目でした。
高校入試の問題を見たときに、ここでこういうふうに考えさせたいのだなあ、やはり授業でもそういう力をつけさせることを、高校でも中学校でも、考えていかなければならないと実感をしたのが2年目でした。3年目の今年、中学校に帰ってきたとき、そういう視点から中教研などで発表することができました。例えば・高校の先生からみると、中学校のALTとのティーム・ティーチングはゲームとしてしか見えないとよく言われるのですが・生徒に考えさせるとともに、生徒の発表の機会をできるだけ設けるように心をくだいています。
■高校の授業で大切なことは、入学当初の指導
●根本(美) 研修で白河第二中学校に勤めましたが、生徒が感じるのと同じ戸惑いを身をもって実感したというのが率直な感想です。以前から中・高で互いに理解し合いましょうとか、協力し合いましょうという動きはありました。実際・白河女子高校にいた時も近隣の中学校の先生方に授業を公開し、協議会を開くなどの改善・工夫をしてきた経緯はありますが、お互い言葉に出しては言いにくいものがあり、やはり壁は越らえれなかった。
今回は、初めは遠慮しながらも、どうして中学校には進路指導部がないのかなど、中学校の先生方とお互いに話し合えるようになりました。中学校の先生はこういうふうに考えているが、高校での授業はこうだというような内容をぶつけ合うようになれたのです。高校の教員として、中学校に行って、生き生きした生徒の表情と活発な学習をみてショックを受けました。自分たちはこの意欲をつぶしているのではないかと感じました。小学校、中学校の指導法はかなり変
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