中・高連携のために-117/136page

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した生徒が、小学校5年程度の基礎学力程度しかなく、それが尾を引いているとのことでした。中学校では、生徒にこれくらいのところまでしっかり力を付けて卒業させていく、もし、積み残しがあるようであれば、高校ではどんなことを補充していかなければならないかを確認し合うような協議ができると、この委員会が意味をもつだろうというようなことを皆さんの前で話した記憶があります。
どうしても、中・高ともに、相手のことを知らない。中学校の教科書を見たことがない高校の教員も多いし、高校の教員が中学校の授業を見せてもらった経験がない。
こういう状態から始まりましたが、委員会も回を重ねるたびに、県中地区は県中地区としての特徴も出て工夫がみられるようになりました。数学部会では、中学校の授業を高校の教員がやり、高校の授業に中学校の先生が来たりしました。部会長と副部会長は運営面や授業の内容面でもご苦労されましたが、手弁当で集まり授業案を練り上げることができました。
また、杉教頭先生からお話がありましたように、中・高の委員相互の人脈ができ、互いに忌憚のない交流ができるようになってきた反面、全く無関心な先生方もおります。今後は、「サクシード」の活用についても検討していく必要があると思います。
さらに、一箕中学校の長嶺先生からのお話にありましたように、高校と中学校では、やはり基本的には違いがあって当然ですが、相互に授業を見せ合うことによって得るものがあるということに共感します。例えば、学習内容の基礎・基本について検討し合うというソフトウエア的な分野だけでなく、先生の人間味などのヒューマンウエア的なものが中・高校生に大きな影響を与えるということを考えると、研修という意味でも、授業を参観し合うことは大変有意義
なことになると思います。そして、それが、中・高連携の中で最大の効果をもたらしているのだと感じております。
最後になりますが、田村高校では、学校主催の中・高連携を実施していました。講師の先生をお呼びして一緒に勉強し合いましょうということを近隣の中学校に声かけ、本日の講師である和田先生をはじめ、数学の正田先生、国語の市原先生においでいただき・講演を交えて協議をしてきました。県内の狭い観点のみでなく、全国の動向を踏まえた高い視点から中・高連携をみることができたと考えています。

●和田 ありがとうございました。今までの実績に基づいて今後中・高連携をどのようにしていったらいいのかを、将来のことを見越して話し合っていきたいと思います。
白河旭高校の青柳嘉一郎校長
白河旭高校の青柳嘉一郎校長

■中教研・高教研の中で考える

●杉 これまでの活動により、中・高連携の種蒔きはいくらかでもできたので、今後は高教研、また中教研の中でどのように育てていくかということが課題になるのではないかと考えますが。

●根本(美) 私も同感です。今後も継続して協議を続けるためにも、中教研・高教研の存在は大きいと思います。また、県南地区では、西白地区、白河市、西白河郡の中教研のメンバーの先生方と高校の英語の教員とが互いに連絡協議会を組織しています。それが、すでに20年以

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