児童生徒の夢がかなう福島の教育の実現に向けて -022/157page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

第2章 新しい授業の創造と実践

 これからの小・中学校においては、児童生徒一人一人に変化の激しい社会を主体的かつ自律的に生きていくための基盤となる [ 生きるカ ] を育成することが求められている。
 各学校では新しい学校づくりへの準備が進められいるが、その中核となる新学習指導要領は、その趣旨にしても仕組みにしても従前の手直しでなく、学校週5日制の下、学校、家庭、地域社会が連携して進めるなどの新しい教育理念が盛り込まれおり、新学習指導要領の内容の研究と教育活動の具体化をこれまで以上に綴密に関連させ実践していくことが課題となっている。
 特に、教科等の学習においては、学習内容の3割減、週単位時間の授業時数減、領域の組み替えや学習内容の削減や学年移動、目標と内容を2学年単位で示す大綱化などを踏まえた新しい授業の構築が求められている。また、「総合的な学習の時間」の実践は、教科等の授業の質的転換が行われることを前提としている。
 さらに、問題解決的な学習や体験的な学習、個に応じたきめ細かな指導を充実させるなど、授業時数減の中でむしろ時間をかけて指導しなければならないと思える内容も含んでおり、これまでの学習指導の在り方の抜本的な見直しが必要とされている。
 そこで、「II 各教科における授業改善の視点と実践」では、実践していくために重要と思われるキーワードを取り上げながら、その視点と実践例について述べていく。

I 新しい授業づくりを考えるための3つの視点
 1 新しい授業づくりの基盤
 2 新しい授業づくりに求められる実践課題
 3 新しい授業を拓く学習指導の設計

II 授業改善の視点と実践
 ○小学校・・・社会科、算数科、生活科、音楽科、図画工作科、家庭科、体育科
 ○中学校・・・国語科、理科、技術・家庭科、英語科



I 新しい授業づくりを考えるための3つの視点

1 新しい授業づくりの基盤

(1) [ 生きるカ ] をはぐくむ学習指導

 新学習指導要領では、知識を一方的に教え込む教育を改め、自ら課題を見付け、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、行動し、よりよく問題を解決する資質や能力などの [ 生きる力 ] を身に付けさせることを基本的なねらいとしている。
 新学習指導要領では、完全学校週5日制の実施に伴い、授業時数を週当たり2単位時間縮減するとともに教育内容を厳選し、児童生徒がゆとりをもって学習できるようにしている。これは、次のことをねらいとしている。

○基礎・基本を確実に身に付けることができるよう理解や習熟の程度に応じた個別指導や繰り返し指導を行う。

○単なる知識の暗記ではなく、思考力、判断力、表現力などを身につけられるよう観察・実験・調査・研究、発表・討論などの体験的、問題解決的な学習活動に取り組めるようにする。


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

Copyright (C) 2001-2002 Fukushima Prefectural Board of Education All rights reserved.
掲載情報の著作権は福島県教育委員会に帰属します。