児童生徒の夢がかなう福島の教育の実現に向けて -023/157page
そのため、各学校においては、児童生徒が厳選された教育内容をしっかり習得し、それを基に学ぶ意欲や学び方、知的好奇心、探究心などを身に付けることができるよう、新しい授業づくりを目指した授業の改善を行うことが必要である。
これらを踏まえ、新しい授業づくりには、自分でじっくりと考える学習時間の確保や試行錯誤しながら取り組む学習コース、再チャレンジできる学習活動、多様な考えを交流することができる学習形態、達成感や充足感にひたり次の学習への意欲・関心をつなぐ学習計画など主体的な思考力や社会性や豊かな人間性が発揮できる柔軟性に富んだ授業設計が望まれる。
なお、「総合的な学習の時間」は、横断的・総合的な課題などについて、自然体験や社会体験などの体験的な学習、問題解決的な学習を行うものであり、学び方やものの考え方を身につけるとともに、各教科等で得た知識や技能を相互に関連付け、総合的に働くようにすることなどを目指すものである。
(2) [ 生きるカ ] をはぐくむ学習指導と基礎学カの向上
新学習指導要領で目指していることは、
習得した知識に基づき自ら考え、問題を解決する能力の育成である。すなわち、学習する意欲の醸成を視野に入れながら、基礎・基本は確実に習得した上でそれを様々な場面で実際に生かしていく力をねらっている。
<文部省:「よりよい教育を目指して」新学習指導要領のねらい
及びこれを実現するための手だて> 平成12年11月そのため、各教科、道徳、特別活動及び総合的な学習の時間において、作業的・体験的な学習、問題解決的な学習を積極的に取り入れ、知的好奇心や探究心、論理的に考える力、情報を主体的に選択し判断する力、自分の考えを的確に表現する力などを育成し、自ら学ぶ意欲を育てることが必要である。
このように考えた場合、「基礎・基本」(基礎的・基本的な内容)とは、読・書・算などの基礎的な知識、技能とともに主体的に学び、自分の考えを持ち、それを的確に表現する力、学び方やよりよく問題を解決できる力などを含んだものととらえ、子供たちがそれらを確実に習得できるようにするための学習指導の工夫を考えていくことが必要である。
以上のことを踏まえ、本県ではその向上を目指している「基礎学力」を次のように考え、その向上に取り組んできた。
各教科の学習内容は、教科独自の知識や技能の体系と構造を持っており、それらを適切な学習活動において、児童生徒が系統的、構造的に身につけておくことは、新しい学習対象への興味・関心、意欲を高め、豊かに学んでいく際の寛要な基盤となる。この基盤となる教科独自の知識や技能を確実に身につけていくことは極めて大切である。以上のような考えを踏まえ、基礎学力を次のように定義した。
基礎学カは、
「児童生徒が獲得した基礎的・基本的な知識、理解、技能であり、
それらをその後の学習のなかで活用し得るカ」基礎学力は、教師の専門性に裏付けられた適切で効果的な指導と児童生徒の発達段階や個性に応じた意欲的な学習の中で、より一層強化される。