児童生徒の夢がかなう福島の教育の実現に向けて -024/157page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

 新学習指導要領でねらっている学力は、思考力、判断力、表現力を駆使した学習により知識・理解、技能を確実に習得し、様々な学習に活用してよりよく問題を解決していく力を育成しようとする方向性において、基礎学力と軌を一にしている。



2 新しい授業づくりに求められる実践課題

 小・中学校の新学習指導要領には、教科の目標や領域の構成、学習内容などに大きな改善が盛り込まれている。これからの学習指導を考えていく上で重要となる改善点を取り上げ、その意図や背景について考察しながら、新しい授業づくりの枠組みや実践する上での課題を確認していきたい。

(1) これからの学習指導に求められる課題

1.目標や領域構成の改善についての構造的な理解
 これからの教科等の学習指導の在り方や方向性は、その目標や領域構成の改善点の中に明確に盛り込まれている。特に、教科目標や学年目標に付加されたり改訂されたりした文言には、新しい教科指導のねらいが端的に見てとれる。現行と新学習指導要領を対比してその意味するところを理解し、これからの学習指導を推進する上での原動力としたい。また、領域構成が大きく改善された教科については、目標−学年目標−領域構成−内容の関連や構造を十分に把握して、教科間の連携や連動による指導や学習内要の自校化など自校の特色ある教育活動に生かしていきたい。

2.教育内容の厳選と週2単位時間の授業時数滅への如応
 教育内容の厳選と授業時数減は、単なる削減や縮減ではない。そのことによって、基礎・基本の確実な定着を図るために、子どもたちが繰り返し指導することができるようにしようとするものであり、作業的・体験的な学習の導入を可能にしようとするものである。
 ともすると教育内容と授業時数が少なくなった中でむしろ時間がかかる作業的・体験的な学習をどのように取り入れていったらよいのかといった矛盾が指摘されがちである。しかし、むしろ厳選を学習指導の重点化や自校の実態を踏まえた授業の質的改善に取り組む幅が広がったととらえる必要がある。
 特に、繰り返し指導や作業的・体験的活動の段階的指導については、基礎学力向上自校プランで取り組んできた成果を十分に活用し研究していくことが求められる。

3.大綱化で求められる自校の実態を踏まえた教育計画づくり
 小学校新学習指導要領では、2学年にわたる目標及び内容を示した教科等が拡大するなどの大綱化が進められた。また、中学校新学習指導要領でも、教科によって目標及び内容を複数学年まとめて示している。
 これにより、小学校では2学年を見通して計画的に指導することができるようになり、特に示す場合を除き、いずれかの学年に分けて指導したり、いずれの学年においても指導することが可能となった。また、中学校においても指導の重点化を一層進めることができるようになった。このことは、2年間を見通して、各教科で身につけていく資質・能力を2年間の一貫した指導方針の下で計画されることを求めている。これまで以上に、学習内容の系統性や発展性を研究するとともに、学年接続や自校の実態を踏まえた教材配列などの工夫、学年、学級間の新たな協力などが必要となる。

4.学習内容の構造の変化に対応する教材研究の在り方
 大綱化に対応する教育計画づくりでも考察してきたように、これからは2年間を見通した学習指導の計画を視野に入れた上で、それぞれの学年の目標、学期の目標、単元の目標、1単位時間の目標を構造的に捉えた教材研究が不可欠となる。つまり、長期の学習指導構想を練った上で1


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

Copyright (C) 2001-2002 Fukushima Prefectural Board of Education All rights reserved.
掲載情報の著作権は福島県教育委員会に帰属します。