児童生徒の夢がかなう福島の教育の実現に向けて -025/157page

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単位時間の学習指導の位置付けを明確にし、授業を設計していくことが求められるのである。
 特に、1単位時間の学習活動に傾斜した教材研究からの脱皮や隣接学年が協力して行う学習内容や学習方法の系統性・発展性についての研究が期待される。また、学習形態の工夫や学習空間の活用、情報機器の活用など授業設計の新しい要素を積極的に取り入れた学習指導も検討されなければならない。

5.学習時間の弾カ的運用
 子供たち一人一人の主体的な学びを重視したとき、子どもの学習活動の時間にももっと柔軟に対応すべきではないかという考えに応えて、新学習指導要領では、年間の授業時数を確保しつつ、児童生徒の発達段階及び各教科等や学習活動の特性を考慮した適切な計画の下に、授業の1単位時間を弾力的に運用することができるようになった。
 時間にあわせた学習内容の設定から、子どもたちの学習意欲の持続や興味・関心を大事にした1単位時間の弾力的運用を視野に入れ、子どもたちが自分のぺースでじっくり学ぶことを取り入れた授業設計が大切となる。


(2) 新しい授業づくりの視点

1.「与えて、させて、急がせる」授業からの脱皮
 これからの学校教育の目指す方向は「多くの知識を教え込む教育」から「自ら学び自ら考える力を育てる教育」へと基調の転換を図ることが強調されている。
 これを授業の形で考えると、教師の側からねらいを示し、教材を与え、計画に従って活動を指示し、緒果を性急に求めるといった教える側の論理が先行する、いわば、「与えて、させて、急がせる」授業からの脱皮であると言える。
 そのためには、子ども一人一人の思いや願い、目標や課題をしっかり受け止め、その解決や実現の取り組みを助け、主体的な活動の展開となるよう個に応じた柔軟な指導に取り組んでいくことが必要である。柔軟な指導には、緻密で多様な学習展開に備える教材研究と一人一人の学習状況を的確に評価し指導に生かす教師の指導力が欠かせない。

2.学ぶ実感を高める「体験活動」や「間題解決的な学習」の導入と授業構成の工夫
 自ら学び自ら考える力を育てていく授業では、教師が学習をコントロールしどの子も一律に時間をかけ同じように量をこなしていく授業構成から、学習課題や活動の選択の幅を広げ、一人一人の子どもの学習状況に応じたきめ細かな対応していくことが求められる。
 そのためには、子どもや学校の実態、地域の実態、学習のねらいや内容に応じて、個別指導やグループ別指導、観察・実験、見学や調査、発表や討論、ものづくりや生産活動など体験的な学習や問題解決的な学習、コンピュータや情報通信ネットワークなどの情報手段を状況に応じて取り入れた授業構成に努め、指導方法を工夫、開発していくことが期待されている。
 学力向上自校プランに位置付けて、段階的な指導を具体化していきたい。

3.学年間、学級間の垣根を低くした指導体制
 指導観の転換は、学級完結型の授業から開かれた学年・学級の授業を求めている。多様な目で子どもたちを指導し、一人一人のよさを生かした学習を推進させるためにT・Tによる授業など教科の特質や学習内容によって授業の形態を工夫することは新しい授業づくりの可能性を広げる上で欠かすことはできない。

4.学習活動に求められる変化とリズム
 子どもたちは学習の中で、既習の学習と関連づけながら理解を広げていく姿、集中し熱中して一気に納得を深める姿、繰り返すことによってできるようになった喜びを確かめる姿など様々な取り組みの姿を見せる。これらは学習の取り組みについて達成感や成就感、自分の努力や結果が


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