児童生徒の夢がかなう福島の教育の実現に向けて -028/157page

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内容は、その単元の目標に直結した単元でこそ身に付けさせたい基礎的・基本的な内容と言えるものである。したがって、その単元でなければできない学習指導を構想する上での重要な手がかりとなる。

3.1単元の構造的な指導計画
 1や2の教材研究により、年間や学期、同領域の上での位置付けが明確になる。新しい授業の設計では、単元同士の関連や系統性を踏まえた構造的な指導計画を重視していきたい。関連図や構造図、場合によっては図示や写真の活用などビジュアルで視覚的にも分かりやすい指導計画を工夫したい。


1単位時間の授業設計

1.学習の連続性を生かした導入の工夫
 授業づくりの基本として、導入では学習に対する意欲付けとともに連続性、継続性を意識させる提示を工夫をしていきたい。授業時数減を踏まえた授業づくりでは、これまで学習したことを積極的に活用していく展開が求められる。
 なお、提示の工夫では、提示物などのハード面の効果的な活用も大事であるが、これまでの学習内容の何を豊かに想起させて本授業につなげていくなどソフト面の工夫に力点を置きたい。

2.学習活動と学習内容の必然的な関連の確保
 学習活動を構想する場合、何をもとに活動するのか、何をねらって活動するのかを明確にするための学習内容の割り出しが不可欠である。学習指導案の展開部に示される学習活動と学習内容とは不離密接の関係にあると言える。最近学習内容が明示されていない学習指導案も散見するが、学習状況の評価や支援にとっても重要な内容であるので1単位時問の授業設計は十分に検討したい。

3.「課題−学習活動・内容−まとめ」の論理的な流れの検討
 課題を追求する上で適切な学習の流れになっているかを吟味するのが「課題−学習活動・内容−まとめ」の論理的な検討のねらいである。ともすると、課題を追求するのに不十分な「学習活動・内容」であったり、反対に多すぎて子供たちが対応しきれない「学習活動・内容」であったりすることが見られる。また、「まとめ」が「課題」に的確に対応していないなど学習の流れに不備がある場合もある。「まとめ」から「学習活動・内容」を検討するなどして整合性を十分に取る過程で実態と学習状況を考慮した授業のシミュレーションをしていきたい。


学習内容を定着するための活動設計

1.教科の特質を踏まえた「体験的な学習」「問題解決的な学習」の充実
 「体験的な学習」「問題解決的な学習」は、学ぶことの楽しさや成就感の体得など十分な納得を伴った分かる授業を進めていく上で重要な意味を持つ。各教科等において習得すべき知識や技能も、これらの学習を通すことによって、子供たち一人一人がその後の学習や生活において生かされ総合的に働くようになるものと考えられる。
 ともすると、見学学習や課題解決型学習などの導入が強調される傾向が見られるが、観察・実験、調査、発表活動、課題学習など教科の特質を十分踏まえた多様な活動を展開し、思考と体験の相互作用を充実していく必要がある。

[ 例 ]
 ・小学校国語科のスピーチや話し合いなどの言語活動
 ・小学校算数科の作業的・体験的な活動などの算数的活動
 ・中学校社会科の学び方を学ぶ活動


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