児童生徒の夢がかなう福島の教育の実現に向けて -032/157page
II 授業改善の視点と実践
1 国語科における授業の改善(中学校)
国語科改訂の要点
○目標の改善 → 「国語を 適切に表現 し 正確に理解 する能力」と改め、「 伝え合うカを
高める 」ことを目標に位置付けた。○内容の改善 → 領域ごとの特性を生かし、言語の教育としての立場を重視するた
め領域構成を改め、 3領域1事項 にした。
→ 指導内容と言語活動の密接な関導を図り、児童生徒の主体的な
学習を促しながら学習の効果を上げるため、 言語活動例 を示した。○目標や内容の示し方 → 学校や児童生徒の実態に応じて重点的に指導できるよ
う 2学年のまとまり で示した。○指導事項の重点化 → 全体として精選し学年に応じて 重点的に取扱う ようにした。
(1) 年間指導計画の作成
1.2年間を見通した指導計画
新学習指導要領の趣旨に基づいて国語科の授業を構築していくためには、2学年のまとまりで示された内容を年問指導計画にどう位置付けて指導に当たるかということが大切になる。特に、まとめて示されている指導事項について、どの学年で重点的に取り扱うか、また繰り返し取り扱う内容はどれかなど自校の実態を踏まえて、十分に検討した上で 指導内容の重点化と単元の系統性や発展性 を明確にし、2年間を見通した指導計画の作成が望まれるところである。
実践編では、中学校2年の「A話すこと・聞くこと」の領域の指導計画を示してあるが、1学年及び2学年・3学年のまとまりで示されている目標や内容を踏まえ、2学年で重点的に指導する内容を位置付け、さらに3学年を見通した計画になっている。
2.各領域の指導時数を適切に確保した指導計画
新学習指導要領には、各領域ごとに小学校では時数が明示してあり、中学校では、指導時数の目安が示されている。例えば、中学校においては「A話すこと・聞くこと」の領域の授業時数は、各学年とも国語科の授業時数に対する割合として、10分の1〜10分の2程度となっている。
このことは、例えば「C読むこと」の領域の指導においての「話し合い」を「A話すこと・聞くこと」の時数としてカウントするのではなく、あくまでも「C読むこと」の手段としてとらえるべきであり、「A話すこと・聞くこと」の領域のねらいと明確に区別して指導に当たらなければならないということである。したがって、各領域のねらいを達成するために、各領域ごとに適切な時数を確保して指導することが必要であり、領域ごとに一層目的的な指導が展開されなければならない。
(2) 指導事項の重点化
これからの国語科で目指す授業は、それぞれの領域の内容の指導を的確に行うことが第一義であり、各領域の指導においては、指導事項の重点化を図って領域の目的的な学習ができるようにすることが重要である。