児童生徒の夢がかなう福島の教育の実現に向けて -038/157page

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(2) 第2時

<目的意識>
 自作資料の提示
  身近な先生方の物語を用いる
  ことによって、学習に対する
  興味・関心を高める

◎ 第3時以降のペア学習を踏まえて、ペアごとに異なる内容の「資科○○先生物語)」を準備し、その内容をとらえさせた。ペアで内容を変えた意図は、対話の際に内容を知らない相手に伝えることを考えたからである。
 内容の読み取りにおいては、資料が身近な先生ということもあり熱心に取り組む姿が見られた。しかし、「○○先生は、外国で生まれ育ったんだ。」とか「○○先生は、何回も引っ越ししたんだ。」という生い立ちなどのエピソード的なことに興味・関心が向いてしまい、指導者が意図した言語に対する考えから離れてしまう生徒が見られた。
 そこで、授業の後半で、第1時にまとめた言語に対する自分の考えと○○先生の言語に対する考えを比較させた。すると、「○○先生は、外国で生活したから気持ちを伝えるには言葉が重要だと考えているんだ。僕も気持ちを伝えるには言葉が一番だと思う。」など、言語面に目を向けるようになっていった。



(3) 第3時

<相手意識>
 予備的対話
  対語や相手を意識させる

◎ ペアを組んだ相手に自分が読んだ資料の登場人物(○○先生)の言語に対する考え方を紹介する活動を行い、これを「予備的対語」と位置付けた。その後、態度面を振り返る時間をとり、相千を意識した話し方、聞き方についての意見の交換を行った。すると、「下を向いて話している。」「声が小さい。」「恥ずかしそうに話している。」など、普段自分では気がつかなかったところに気付き、態度面の新たな発見の姿が多く見られた。



(4) 第4時

<方法意識>
 参考資料の提示
  相手の発言と関わらせる

◎ 相手の発言の一部を自分の発言に取り入れ、相手と関わり合う対話を行うにはどうすればよいかという方法意識に重点を置いた。まず、前時の予備的な対話の時の様子を振り返らせたところ、「質問したいが、どう聞いていいのかわからなかった。」「もう一度聞きたいところがあった。」「自分の意見を言いたかった。」などという意見が出された。そこで、相手と関わらせる発言とその具体例の参考資料2・3を提示して学習を進めた。


[ 参考資料2 ]

 関わらせる発言のいろいろ
 相手の発言の一部を自分の発言に取り入れる


○相手の意見をもう一度聞きたいとき
 ・さっき「・・・」って言ったところ、もう一度言ってくれる?
 ・えっ、「・・・」ってどういうこと?
○相手の発言を確かめたかったり、質問したいとき
 ・どうして「・・・」って思ったの?
 ・今の「・・・」ってどういうこと?
○相手の発言に賛成の意見を述べたいとき
 ・私も「・・・」と思うよ。だって、・・・
○相手の意見に反対したいとき
○相手の発言から思いついたことを発言するとき
○相手の発言をほめるとき


[ 参考資料3 ]

相手の発言と関わらせている例

伊藤さん ねえねえ、田村亮子さんのことどう思う?
田中さん うーん3回もオリンピックに出るなんて すごい精神力だと思うな
伊藤さん うんうん、わたしも すごい精神力だと思うな 。だって8年間がんばって今回
      のオリンピック(シドニー)で金メダルを取ったんだもんね。
田中さん まったくその通りよね。彼女は、オリンピック前に指を骨折したらしいよ。
      けど、テーピングをして試合に出場したんだってよ。
伊藤さん それって本当だったの?
田中さん うん。新聞に書いてあったよ。


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