児童生徒の夢がかなう福島の教育の実現に向けて -040/157page
際、自他を比較検討させるために、一つ一つの意見を全体に投げかけ、自分はどうであったかを振り返り、自分の新たな課題を見つけさせた。
次に示すのは、生徒たちの意見の一部である。[ 生徒たちの意見 ]
○よくできたところ「話すこと」
・大きな声で話すことができた。
・棒読みにならなかった。
・尋ねるときに相手の話に視点を置いていたので、話がはずんだ。
○よくできたところ「聞くこと」
・相づちを打って聞くことができた。
・相手の発言に関わり合った返事を返すことができた。●うまくいかなかったところ「話すこと」
・まだ、相手の目を見て語すことができなかった。
・相手の発言とかみ合わない発言をしてしまった。
・話が途切れてしまった。
●うまくいかなかったところ「聞くこと」
・返事を返すのが遅れてしまった。
・たまに聞き逃して、よくわからないのに何となく相づちを打ってしまった。
(6) 第6時
<場面意識>
<相手意識>
発展的対話
日常生活の中での実践的な対話を目指す◎ 今までの学習で学んだ「効果的な話し方・聞き方」を基に、相手に応じた話題を考え、発展的な話題で対話を行う、対話の応用の時間として設定した。
はじめに、発展的な対話をするための中心となる話題を考えるための時間を設けた。その際、単元の目標とも関連させ、話題の中に言語について取り入れることを促した。
しかし、実際に対話を終え、VTRで自分たちの姿や対話の内容を振り返ってみると、「もっと話題を見つけだして、もう少し対話が続けられるとよかった。」「発展的対話は難しかった。」「前のときよりも対話が短くなってしまった。」など今後に課題を残すような感想が多く見られた。
(7) 第7時
<評価意識>
少数意見の提示
課題を含んだ感想を提示することにより、
自他を比較し、対話に対する評価意識を高める◎ 当初は、対話における効果的な話し方・聞き方について考え、対話に対しての自分の考えをまとめ、単元の終了と考えていた。しかし、前時の発展的な対話を行ったあとの感想のほとんどが「うまくいかなかった。」「難しかった。」という内容のものであった。そこで逆に、少数ではあるが、「だんだん対話が膨らんできておもしろかった。」という感想を紹介し、さらに「対話がうまくいかなかった原因は質問にある。」という課題を含んだ感想を生徒たちに提示し、単元の最初にテーマとして与えた「対話の達人になるためには?」という質問を投げかけてみた。その回答の中には、「相づちの打ち方や視線、質問の仕方」など方法的なものが多かったが、中には、「話を上手に引き出せる聞き上手になりたい。」「日常生活の中で意識していろいろな話題を見つけたい。」「対話は毎日の積み重ねが大切だ。」などという感想もあり、対話の学習は、これからの生活の中で、さらに発展させ、続けていくものだということを、生徒に意識付けることができた。