児童生徒の夢がかなう福島の教育の実現に向けて -042/157page

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2 社会科における授業の改善(小学校)

(1) 社会科改善の基本方針と授業改善の方向

 社会科における教育課程改善の基本方針は、日本人としての自覚をもち、国際社会の中で主体的に生きる資質や能力を育成すること及び内容の重点化を図り、主体的な学習を一層重視することである。この基本方針における社会科の改善の方向を整理すると次のようになる。

○社会的事象に進んでかかわり、それらの意味や働きを多面的に考えることができるようにする。
○社会的事象を公正に考えたり判断したりできるようにする。
○地域社会や我が国の産業、国土、歴史などに対する理解を深め愛情を育てる。
○日本人としての自覚をもち、国際理解を深めることや、我が国が国際社会で果たしている役割について理解できるようにする。
○学び方や調べ方を身に付ける学習や体験的な学習、問題解決的な学習を重視する。

社会の出来事や事柄、地名や記号などの細かな知識を覚える授業
観察・調査、体験、表現などの具体的な活動を通して、社会的事象の意味や働きなどを考えたり、自分の意見を述べたりする授業への改善


(2) 調べて考えるカを育てる社会科学習の展開

 観察・調査、見学などの活動や体験的な活動、多様な表現活動を取り入れた子供たち主体の社会科授業が展開されるようになってきている。しかし、多くの実践が調べること、体験すること、それらの結果を発表することのみで終わってしまっている面が見られる。
 子供たちが社会科の授業の中で調べる社会的な事象は、現在の社会に見られる事象であり状況である場合が多い。したがって、これらのことは、時間の経過とともに変化するものである。また、社会的な事象は地域によって異なる場合もある。変化するものを調べて増やした知識は、社会の変化とともに必ずしも生かされる知識とはなり得ない。
 ここで重要なことは、変化する知識を覚えさせたり理解させたりすることではなく、調べたことからどのようなことが考えられるか、つまり、社会的事象のもつ意味や特色、働きなどを考えることができるようにすることである。
 また、今回の改訂において、事例選択が拡大されているが、このことも事例を通して、応用性、転移性のある知識を身に付けさせることを意味している。つまり、授業の中で知識をそこまで高める必要性があり、調べたことをもとに意味追究する活動を重視することを求めている。
 このような改訂の趣旨を生かすために、実際の授業においては、具体的に調べる対象や事例が違っていても、そこから学びとらせたい内容は、全ての子供たちに共通に身に付けさせたいこととして、調べたこと、まとめたこと、体験したことなどから、どんなことが考えられるか、社会的事象のも


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