児童生徒の夢がかなう福島の教育の実現に向けて -053/157page
2 授業改善の視点
改善の基本的な考え方を受けた授業改善の具体的な視点として、下記の3つが上げられる。その中で、「算数的活動を積極的に取り入れ、図形についての豊かな感覚を育てる授業」を実践事例として取り上げてみた。
(1) 算数的活動を積極的に取り入れる。
○論理的な思考力や直感力を育成する。 ○問題解決の能力を育成する。
○実生活における様々な事象との関連する。 ○評価の在り方を見直す。
(2) 数量や図形についての感覚を豊かにする。
低学年の目標では、「A数と計算」「B量と測定」「C図形」のそれぞれにおいて感覚を豊かにすることを述べている。
(感覚を豊かにする)
低学年の時期には、具体物を用いた活動を用いた活動や、作業的・体験的な活動を通して、数量や図形の基本的な意味を見いだしていく学習が進められる。そうした場面で、素朴な感覚を身に付け、それを次第に豊かな感覚に育てていくことが人切である。感覚を豊かにすることは、中学年から高学年においても引き続き配慮していくべきものである。
(3) 児童が自分たちで算数をつくっていくようにする。
算数の内容には、系統性が明確であり、それまでに学習した事柄を基にして新しい内容を構成してくという特性がある。そうした内容の系統性を生かしてく児童が自分たちで算数をつくっていくよう指導計画を工夫する。
(算数をつくる)
第一学年で学習する一位数の加法と減法の計算は、第二学年以降での加法と減法、乗法などの計算の基になるものである。第二学年以降では、新しい計算の仕方を考え、その方法をつくっていく学習を進める。また、第四学年以降では、小数、分数の意味や、計算の仕方について学ぶが、そこでも、それ以前の整数の意味や計算の仕方を基にして、自分で工夫したり考えたりする学習を進めていく。