児童生徒の夢がかなう福島の教育の実現に向けて -061/157page
3 実践の考察
「三角形」の学習を問題解決的に展開する中で、算数的活動を積極的に取り入れ、自力解決の場と時間を確保し、個に応じた指導を充実したことで、児童は主体的に学習に取り組み、図形(三角形)の理解を深め、図形への感覚を豊かにすることができた。
算数的活動の充実
○作業的・体験的な活動
○探求的な算数的活動
○1単位時間の弾力化○単元全体を通して算数的活動を積極的に取り入れ、質的にも量的にも充実したことから、児童は自らの活動を通して三角形の意味を理解し、納得し、実感することができた。
さらに、ひごや折り紙による三角形の構成やコンピュータでの模様作りなどの活動は、三角形に親しむよい機会となり、図形についての豊かな感覚の育成に結びついたと考えられる。
また、算数の学習にこれまで以上に進んで取り組む姿や楽しんで活動する姿が見られたことも、算数的活動の効果である。○1単位時間の弾力化を試み、90分間や60分間の授業を展開したことで時間的なゆとりが生まれ、児童はじっくり作業的・体験的な活動に取り組むことができた。反面、学習が長時問になり集中の途切れることもあったので、学年や実態に応じた時問の検討が大切である。
自カ解決の場と
時間の確保○自力解決に入る前の結果や方法の見通しを十分に行ったことで、児童は自分の考えに基づいたり、友だちの考えを参考にしたりして、解決に向かうことができた。
また、自力解決のための時間を多めに確保したことで、作業的・体験的な活動を通して、自分なりの結果を求めることができた。
しかしながら、見通しの持たせ方については、教材研究を深めるとともに児童の発達段階に応じて、絶えず検討していかなければならない。
個に応じた指導の充実
○基礎的な技能の習熟を
図る繰り返し学習○毎時間、理解の程度に応じて取り組めるよう問題の質や量を工夫したことは、個人差への対応につながり、どの児童も充実感を持って効率的な学習を進めることができた。
○単元のまとめにコース別学習を組織したことで、児童が自分の課題を持って主体的に練習問題に取り組み、基礎的な知識や技能の習熟を図ることができた。
また、学年合同のT・Tで授業を行ったことは、特に配慮を要する児童への対応を分担できた点で有効であった。
肯定的な評価と自分の
よさに気付く自己評価○自力解決での励ましや賞賛、比較検討の場での相互評価、ノートヘの自己評価(情意面中心)を取り入れ、よい点や努力した点を肯定的に評価したことから、算数の学習への成就感を味わい、次時の学習に対するする意欲も増してきた。
また、ノート指導でも児童の考えのよさを中心に評価を重ねてきたことで、学習の足跡が分かるノートづくりができるようになってきた。