児童生徒の夢がかなう福島の教育の実現に向けて -063/157page

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4.季節や環境を考慮した指導計画にする。
○生物、天文、気象などの観察、実験には時期的に限られるものが少なくない。学習に必要なデータ収集の観察、実験を事前にしておくことも必要である。
○学校行事等での自然にふれる機会を活用し、情報を収集しておくことも考えられる。

5.身近な自然や日常生活との関連を図る。
○理科の授業が、教室や実験室だけでとらえるものではない。自然界に生起する事象は様々な要素や要因がからみあって簡単に教材化できないものが多いが、教材を身近な自然の中から発掘したり、学習内容が日常生活で見られる現象と結びつけて指導する工夫は、大いに努めなければならない。



(3) 学習指導上の留意事項

1.創造性や思考力、表現力の育成を重視する授業の質的変換を図る。
○創造性は、困難を自らの力で克服しようとするとき励起され、それらが、繰り返し行われることにより培われる。また表現力は他の意見をよく聞くとともに自分の意見を相手に分かりやすく伝達する訓練を通して養われる。このためには、問題解決的な学習が極めて有効である。生徒自身に追究の方法と計画を考えさせ、まとめに至る一連の探究的活動を行わせ、その成果をクラス等で発表するといった授業の展開に努める。

2.目的意識をもった観察、実験を行い、結果を考察しまとめ、発表する力を育成する。
○「目的意識をもって」には、実験方法を考えたり、実験結果の考察から緒論を導いたり、最後まで主体的に取り組ませたりすることをねらいとしている。
○生徒自らの実験結果の考察を、他と比較したり、発表したり、討論したり、納得がいかない場合はやり直すくらいの余裕をもってすすめる。このような学習を通じて、観察、実験の技能を身に付け、その結果自然と知識が身につくようにする。

3.科学的に調べる能力の育成を図る。
○問題の発見、仮説の設定、実験の計画と実施、器具などの適切な操作、適切な記録の取り方、データの処理と解釈、モデルの形成、規則性の発見など探究的な技法を駆使する。

4.学習の動機付けを工夫する。
○導入時における動機付けの適否は、その後の生徒の学習成果を大きく左右する。また動機付けと同時に、せっかく高まった学習意欲が持続できるように、学習内容の配列、観察、実験の選定に配慮することも必要である。



(4) 授業の実践から

 以下実践編については、身近な学校周辺の植物の分類のし方や特徴を、自らの課題設定、75分授業の野外観察、発表による補充、修正、一人一人の課題解決から共通課題の解決、そしてコンピュータを活用した深化、発展という内容で研究したものである。
一人一人が共に学ぶ喜びを実感して、確実に科学的な見方や考え方が身についた実践例である。


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