児童生徒の夢がかなう福島の教育の実現に向けて -079/157page
新たな気付きの
見取りと支援F男(1年生)は、足のけがで楽しみにしていた川遊びができなくなり、しょんぼりとしていた。そこで、「岩登りを一緒にやってみよう。」と声をかけたところ、岩登りの楽しさを感じ、夢中で活動し始めた。「ばんざい!」と岩の上に登って大喜び。教師も一緒に喜んだ。
計画の段階では、前半にグループごとに分かれて活動し、後半は個別に活動するように考えていた。しかし、子供たちは、やりたいことに夢中になって取り組み、やりたい気持ちを募らせ、自由にその子供なりの遊びが展開していった。
多様な人々との
情緒的なかかわり川遊びの協力者の方々とは、活動全体の流れや川遊びの担当、安全面等について、事前に訪問や文書、電話等で打ち合わせを行っておいた。
G子(2年生)は、大根水車作りの先生(保護者)から作り方や回し方を教えてもらいながら、熱中して遊んでいた。
「よく回るね。」と声をかけると「大根づくりの先生にもほめられたよ。」と、明るい声が返ってきた。真夏の太陽のもとで、子供たちは、拠点フィールドの活動に大満足だった。体も疲れ、おなかはすき、心は活動の興奮がまだ残っている中、学校へと帰りについた。H子(2年生)は、ばらばらになりがちなグループの中で、M君の手をつないで学校までいっしょに帰った。「やさしいね。」と声をかけたら、満足そうな笑顔が返ってきた。
角田牧場では、牛を見て泣いていたI子(1年生)の千をJ子(2年生)がつないでなぐさめる姿や、伊南川では、大きな岩につかまり力を抜くと体が川上から川下に向きが変わることを、子供たち同士教え合って遊ぶ姿が見られた。また、釣りの先生に教えてもらったことや、つながった浮き輪を結んでもらったことに感謝するつぶやきが聞かれた。協力者のK先生(児童の祖父)からも「最初は不安だったけれど、だんだん水に慣れていった子供たちにつられて一緒に遊んでしまった。次回も喜んで引き受けます。」と感想が寄せられるなど、多様な人々と相互にかかわりをもちながら活動が深まっていった。