児童生徒の夢がかなう福島の教育の実現に向けて -082/157page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

6 音楽科における授業の改善(小学校)

小学校音楽科では、小学校学習指導要領の改訂を踏まえ、次のような観点を重視して改善を行った。

○音楽を愛好する心情と音楽に対する豊かな感性を育てるとともに、音楽活動に必要となる基礎的な能力を培い、豊かな情操を養うことを一層重視する。

○児童が楽しい音楽活動を通して、表現や鑑賞の能力を高めるとともに音楽活動の喜びを味わい生涯にわたって音楽に親しむ態度や意欲を育成することを重視する。

○学校や児童の実態に応じた弾力的な指導を進めることにより、児童がゆとりをもって音楽活動に取り組むとともに、個性的で創造的な学習活動をより活発に行うようにする。

 これらの観点を踏まえ、目標の改善については、小・中・高等学校の一貫性を図るとともに、学校や地域の特性、児童の心身の発達の実態等を考慮し、各学校において弾力的な指導を工夫して行うことができるように配慮してある。また、内容の改善では、児童一人一人が自らの感性を働かせながら様々な音楽にかかわり、楽しい音楽経験を得ることができるようにすることを重視している。
 そこで、音楽科では児童一人一人が楽しく音や音楽にかかわり、自らの感じ方や考え方など、よさや可能性を積極的に発揮しながら、主体的で創造的な学習活動が展開できるよう、「個に応じた学習指導」と「主体的な学習を支える教材の選定や開発」を中心に以下に示す教師の働きかけや工夫の観点から授業を見直していく必要があると考える。


(1) 個に応じた学習指導の充実

 目指す児童の姿を具現するためには、その基盤として児童の実態を的確に把握するとともに、各学校の実態に応じた年問指導計画や題材の指導計画の工夫が必要である。特に、小・中音楽科の目標や内容の大綱化という趣旨に沿い、表現や鑑賞の活動を繰り返しながら、学習を継続的、発展的に行うことにより、音楽を愛好する心情や音楽に対する感性、音楽的な諸能力が徐々に身に付いていくという音楽の特性を考慮することが大切である。
 ここでは、目指す児童の姿とそれを具現する教師の働きかけや工夫を対比させて考えてみたい。

目指す児童の姿 教師の働きかけや工夫
1.自分の目標を明確にもち、具体的な課題を見つける姿


○小学校音楽科の目標・内容をしっかりと理解し、2学年を見通した内容の重点化、系統化を図る。
○題材で指導する基礎・基本を明確にするとともに、児童の実態に即した題材の指導計画を作成する。
2.音楽への関心や意欲、感じ方や考え方を発揮している姿 ○教材の選択や開発を工夫したり、複数の学習展開の仕方や協力的な指導の在り方を工夫したりする。
3.音や音楽をじっくりと聴き、それを基に自由な発想を働かせながら豊かな表現を工夫している姿 ○表現と鑑賞の関連を密接に図るとともに個々のよさを十分に発揮できるよう具体的な活動への方向付けや参考資料の紹介をする。
4.自分の活動の方向や深まりに気づいている姿 ○教師自身が音楽の喜びを味わったり、ともに考えたりしていこうとする共感的な指導に努める。

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

Copyright (C) 2001-2002 Fukushima Prefectural Board of Education All rights reserved.
掲載情報の著作権は福島県教育委員会に帰属します。