児童生徒の夢がかなう福島の教育の実現に向けて -108/157page
母親の言葉によって、子供たちの家族への思いがふくらんでいった。「家庭の仕事は思っていたより大変」という現実とともに、「こんな大変なことを家の人はよくやっている」「大変だけどありがとうといわれると嬉しい」「家族との会話が増えた」など感謝の気持ちや家族のために役立てる喜びを抱くことができた。家庭の仕事を家族との関わりからとらえさせることによって、学習したことを家庭生活に生かしていきたいという気持ちが芽生えてきたようだ。衣食住の仕事をもっと覚えて生活に役立てたいという感想を持った子供の考えを紹介し、次の小題材「食事作れるよ」への意欲付けを図るようにした。
実践的・体験的な
活動の段階的な導入2 家の中を気持ちよく
(1) めざせ!そうじ名人 4時間
ここでは、清掃や整とんの実習を視点を変えながら2回位置付けた。校舎内、家庭の整とん・清掃を繰り返す過程で身の回りを快適に整える手立てや工夫を段階的に身に付けていくようにした。また、工夫して課題を解決していく喜びを味わわせ、学習したことを自分の家庭生活に生かしていこうとする意欲を持たせたいと考えた。●1回目の実習 (校内)
〜校舎内をきれいにしょう〜 1・2/4時
初めに、互いに知恵を出し合い共通に整えることができる校舎内の実習を取り上げた。まず、あらかじめ、校舎内や家庭で汚れたり乱雑になったりしている所を調べさせてみた。すると、机の中、廊下・階段、水飲み場、衣服の4つに集約された。部屋の整とん、清掃とともに衣類の整とんを一緒に扱ったのは、ぬぎ捨てた衣服によって部屋が乱雑になるという子供たちの実態を考慮したためである。子供たちからあげられた場所の写真を撮って提示したり、汚れの種類を調べさせたりして活動への意欲付けを図り、追究の見通しが持てるようにした。