児童生徒の夢がかなう福島の教育の実現に向けて -120/157page

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工具練習 写真

するためには大変な神経を使う。このような場合は、やはりT・Tでの授業が望ましいが、それが不可能な場合、授業のこの場面だけでも他の教師の協力を仰ぎ、安全面の配慮や専門性を生かした工具使用上のヒントを与えてもらうことが可能ではないかと思う。2つ目は、同時にあちこちで多くの質問が出た場合どう対処するかである。これも、活動場所の配置で対応した。失敗が多そうな押し切り、金切バサミ、Pカッターを近くに配置して、すぐに対応できるようにしたところスムーズに対応できた。
 それぞれの工具の特徴や使い方の要領を教科書等から抜粋し、編集しなおしてプリントにして配布したが、それに頼りきりの生徒もでてきたので、自らの体験的な調べ学習を通したまとめを大切にし、最後に参考資料として配布したほうがよいと感じた。



友人の発表を聞く中から、正し
く合理的に切断するための視点
(コツ)に気づく場面

 両刃のこぎりを詳しく調べた班や弓のこについて調べた班など、各班で調べた工具についての発表を聞いていくと、どの工具にも共通してあげられる視点(コツ)が出てくる。例えば、両刃のこぎりは引く時に力を入れて切るが、弓のこは押す時に力を入れて切る。このことから、刃のつくりの違いという、「工具の構造に着目する視点」が出てくる。同じように、各工具について調べた発表から、「材料の固定に着目する視点」、「切断のしくみに着目する視点」を導き出すことができる。これら切断工具使用のコツは、他の工具にも転用できる普遍性のあるものであり、教科の本質に迫るものである。教師は、生徒の意見をいかに吸い上げ、関連する視点(コツ)が導き出せるよう支援できるか、力量の問われる場面である。
 実際の授業では、時間が少なくなってしまい、教師主導でまとめをしてしまった。時間を十分確保し、生徒に実演させながら発表ができるとよかった。


[ 生徒の自己評価から ]

●楽しかった。プラスチックカッターは、引く時力を入れ、半分くらいみぞがひけたら折る。定規を使って切るときれいに切れることがわかった。

●のこぎりがすごく疲れました。でも、こつがわかると早く使えました。鉄板は、思ったより楽に切れておどろきました。いろいろな工具の使い方がやりながら良くわかった。

●材料によって使用工具・機械がちがうんだと思った。まさか、鉄が切断できるとは思わなかった。

●弓のこがおもしろかった。切ったところが熱かった。のこぎりはあんまり早くやると板が割れるから危険。

●なかなかうまく切れなかった。ビデオだけ見れば、すごく楽しそうなのに…。

工具練習 写真


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