児童生徒の夢がかなう福島の教育の実現に向けて -119/157page

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[ 共通課題 ]
これからの自己課題に基づく体験的
な課題追究の視点に気づく場面

 生徒の構想を提示した後で、それぞれの材料に合った切断のための工具を考えさせたわけであるが、意見があまり出ず、時間の進行を考えてしまったため、教師主導で進んでしまった。多くの意見を生徒から引き出し、生徒主体の授業にしていくために、教師の待ちの姿勢と、教師側からの意欲を高める製作品例の提示等多様な教材を準備しておくなどの啓発が大切であると感じた。
 視聴させたビデオは、市販の「木工具の使い方」のビデオから、切断のしかたの部分を編集して使用した。3分くらいの時間で、両刃のこぎりの縦びき、横びきにおける刃の特徴や持ち方、切る時の姿勢などが効率よく収められており、わかりやすかった。
 この場面では、どうしても教師の教え込みになりがちであるが、生徒は、ビデオの内容からしっかり学ぼうとしていた。ここでは、生徒がこれから使用する工具の練習の視点に気づかせるための教材提示であるので、両刃のこぎりそのものについて軽く扱う程度でよい。



自分が必要とする加工法について自ら調べ、
技術を習得していく学習

工具練習 写真

 生徒が工具の使い方を練習する段階では、それぞれ自分が使用する工具の場所に集まり、意欲的に取り組んでいた。
 両刃のこぎりでは、材料の固定がしっかりできていない生徒や、力の入れ方がわからない生徒はスムーズに切ることができなかった。木工万力や足などでしっかり材料を固定すること、刃の向きに着目し引く時に力を入れることなどに気づくよう助言した。
 弓のこによる金属棒切断では、材料に大きな力がかかるので、万力でしっかり固定する必要がある。また、両刃のこぎりと同じように引く時に力を入れる生徒がいるので、刃の向きに着目し押す時に力を入れるよう助言した。
 金切バサミや押し切りは、一番失敗が多かった。うまく切れない理由は、刃と刃をよく押しつけないで切るため、板金が折れ曲がってしまうことが多い。「刃がぐらついているはさみで紙をうまく切るためには、どうすればいいか。」の問いかけをすると、生徒は切り方のコツに気がついたようであった。また、生活体験の乏しさから、切断する材料を刃の奥(支点近く)にはさむことや、手は支点からなるべく遠くを握ると少ない力で切断できることになかなか気がつかない生徒も多い。
 プラスチックカッターは、はじめに切り込みを入れる時に、定規を使ってしっかりあとをつけないと、うまく切れないようである。
 生徒は、工具の使い方を6つのグループに分れて練習したわけであるが、教師が1人で生徒の多様な活動に対応するために特に注意をはらったことは次の2点である。1つ目は、安全面での配慮である。危険度の高い押し切りの所に教師が長くついているようにし、その近くに金切りバサミなどのけがをしやすい工具の使用場所を設定するなどして、教師の目が届きやすくするとともに、安全のための指示が特に徹底するよう心がけた。実際の授業の中でけがをした生徒はいなかったが、1人の教師ですべての生徒に注意を喚起し、事故防止を期


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